2017年12月12日火曜日

フィリピンの“慰安婦像”に文句を言う前に

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それがどのようなものかを確認しよう。

フィリピン国家歴史委員会が、メトロポリタン・マニラのロハス通り、つまりフィリピンで一番有名な通りに「1942年から1945年の日本の占領下で虐待の被害にあったすべてのフィリピン人女性の記憶」のモニュメントを設置した事が議論を呼んでいる*1。不満を持っている人が多いようなのだが、韓国やアメリカに乱立している慰安婦像と、ロハス通りの“慰安婦像”には大きな違いがある事に注意して欲しい。ロハス通りの方は、碑文に非の打ち所が無い*2

歴史記述の上で争点になっているようなことは、書いていない。そもそも“慰安婦像”とも書いていない。日本軍占領下で虐待の被害にあったすべてのフィリピン人女性を記憶するためにと書いてある。フィリピンで日本軍が強姦や住民虐殺を行なった事は多種多様な資料で裏づけされており、戦後の軍事裁判でも加害者は裁かれているので、虐待被害と言うと随分と遠まわしな感じだ。

フィリピンにおける日本軍の振る舞いは、碑文から想像されるよりもっと悪辣だ。朝鮮半島など植民地と異なり、所謂強制連行によって従軍慰安婦として扱われた女性もいると考えられているし、監禁強姦事件も起きている。被害者数については議論があるようだが、今回の像の碑文に数は入っていない。

日本軍のフィリピン占領がどのようなものであったか知る日本人は少ない事が示されつつあるわけで、その意義もあると言えるであろう。日比友好の阻害とも言えない。日本にも原爆ドームにしろ戦争被害を追憶するモニュメントがあるのが日米友好と言っている。造形も、景観を損ねると言う類のものでは無い。出資者が気に入らないネトウヨさんもいるようだが、それはあちらの勝手である。

*1フィリピンに慰安婦像 日本大使館が懸念表明 | NHKニュース

*2もっともタガログ語の碑文しか無さそうで、英語か日本語の訳文もあった方が良いとは思う。隅にあったり、後から設置したりするかも知れないが。

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