2017年10月15日日曜日

アレな評論家の得意技モット・アンド・ベイリー論法

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弁当が旨そうな話ではない。よく炎上する評論家の得意技に、モット・アンド・ベイリー論法(Motte and bailey)と言う立派な名前がついていたと言う話である。

その主張が過激でトンデモであると非難されると、もっと穏当なことを主張している、それが分からない人がおかしいと弁解をする文筆業の人を見かけたことがあるであろう。主張が過激なモノにも穏当なモノにも読める曖昧作文を行なっているのが問題なのだが、この事には反省の色は見せない。

日本だけではなくグローバルに存在する誤謬で、立証が困難な主張(bailey)に対する批判を、しっかり論証できる主張(motte)に摩り替えて反論することで誤魔化すことに、モット・アンド・ベイリー論法と言う名称がついている*1。都合の悪い部分を隠して部分的な真実を強調する誇大広告論法(Bait-and-switch)と、話しているうちに多義的な単語の意味をこっそりと摩り替える語義曖昧論法(Equivocation)の合わせ技になるそうだ。

モット・アンド・ベイリーは石造りの城が出現する以前の中世の英仏で見られる原始的な築城型式で、濠と柵で作られる境界部分に囲まれたベイリーと、さらに小山で補強されたモットから構成されていて、外敵は攻略が容易なベイリーの部分を攻略してから、防御が固いモットを攻撃するようになっている。日本で言えば、城砦-城下町。絵や写真をみると弥生時代の集落の中心部分が山になった素朴な感じではあるが。

城下町だと思って攻撃した来た外敵を、城砦に摩り替えて防御するという、よく考えると謎な命名ではある。

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