2017年7月4日火曜日

加計学園問題の未確認・未弁解事項の整理

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臨時国家の開催がいるのか、野党4党が当初求めていた閉会中審査で済むのかはさておき、加計学園系列の岡山理科大学の獣医学部の設置認可に関して政府の未確認・未弁解事項の整理しておきたい。未解明事項ではないから悪しからず。

  1. 「広域的」が意味するところで政府答弁に一貫性が無い
  2. 京都産業大学のための「関係省庁等からのヒアリング」が行なわれていない
  3. 既存獣医師養成課程は“国際水準”に永久に至らないのか?
  4. 今後の既存獣医師養成課程の新設における政府方針

国民全員が納得するまで弁解しろと言うのは無理難題であろうが、一貫性の無さや手順の省略については一言ぐらいは弁解すべきだし、今後の文教政策の方針ぐらいは明確にすべきであろう。

1. 「広域的」が意味するところで政府答弁に一貫性が無い

山本幸三地方創生相は3月30日に「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」と言う条件で今治が優先になる(→京都は排除される)と説明しており、6月6日の参院内閣委員会では、まだ広域的に…の条件では四国を念頭に置いていると証言しているが、6月13日の有識者議員の記者会見後は、京都産業大学を対象外にしたとはしていないと言っており、説明にブレがある。政府はどちらかに決めた上で、今までブレてきた理由を説明するべき。

2. 京産大学のための「関係省庁等からのヒアリング」が無い

国家戦略特区諮問会議の有識者議員は、一つの特区申請に関して「提案に関するヒアリング」と「関係省庁等からのヒアリング」を行なっている。国家戦略特区ワーキンググループのページを確認すると、「提案に関するヒアリング」の後、一週間以内には、「関係省庁等からのヒアリング」が行なわれるのが通例のようだ。今治市と加計学園の場合は、2015年6月5日に「提案に関するヒアリング」、2015年6月8日に「関係省庁等からのヒアリング」が行なわれた。ところが、京都府と京都産業大学の「提案に関するヒアリング」は2016年10月17日であるが、かなり高い評価がされているのに「関係省庁等からのヒアリング」は行なわれていない。広域的に…と言う条件がつく2016年11月6日の少し前、2016年10月中旬には京都産業大学は対象外であった可能性がある。

3. 既存獣医師養成課程は“国際水準”に永久に至らないのか?

決定が明確な政府方針としては、「平成15年3月31日文部科学省告示第45号」で定められた「大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第一条第四号の規定」と、石破4条件として知られる閣議決定「日本再興戦略改訂2015」がある。前者は原則として獣医学部の新設を認めない方針で、後者は例外として獣医師の新規需要が生じ、獣医師需要全体が増加し、かつ既存学部・学科でそれに応じた教育が対応困難なときには認めると言う方針だ。条件を満たして新設を行なうのはかなり困難なはずである。しかし、岡山理科大学の獣医学部の設置構想では教育について“国際水準”としか書いていないのだが、既存学部・学科は“国際水準”に永久に至らないと判断しているのであろうか?

4. 今後の既存獣医師養成課程の新設における政府方針

国家戦略特区諮問会議では、この上に広域的に…と言う条件がつき、さらに、長年申請を続けてきた所が優先されると言う基準が示された上に、安倍総理が「獣医師会からの強い要望を踏まえ、まずは1校だけに限定して特区を認めたが、中途半端な妥協が国民的な疑念を招く一因となった」と、獣医学部の新設をさらに認める方向で検討を進める考えを示したので、全体としてどういう理由で何を目指しているのかが分からない。まずは政府方針を整理した上で、今後の既存獣医師養成課程を明らかにする必要がある。

追記(2017/07/05 00:29):山本地方創生相が『獣医学部をつくって獣医師を増やせば、ペット診療の「価格破壊」が起きて小動物獣医師の給与が下がり、相対的に給与が低いとされる公務員獣医師の不足が緩和される』と言う論を展開しているらしい。やはり石破4条件は黙って捨てられている可能性が高そうだ。

説明/弁解すべき人々

基本的に(1)と(2)は山本幸三地方創生相、(3)と(4)は松野博一文科相に答弁してもらえば良いのだが、突然の拡大方針の宣言があったので、(4)については安倍総理の説明も不可欠だ。野党には頑張って追求して頂きたい。未確認・未弁解事項のまま残される可能性は少なからずあるが、それはそれで非難する材料にはなる。なお、国家戦略特区諮問会議の有識者議員は、参入規制の撤廃か緩和にしか興味が無いので、もう呼んで話を聞いても無駄であろう。

立法不要な行政判断で内閣が勝手に方針を決める事柄だが、決めた方針とあっていないような動きをしたり、方針自体が不明瞭であることは非難されても仕方が無い。防衛・外交問題でもあるまいし、大きな機密事項も無いはずだ。

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