2016年9月3日土曜日

チケット転売反対の真の目的

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アーティストが連名でチケット転売に反対を表明するサイトが作られ、それを契機にチケット転売に対する賛否が表明されている。一般の経済学の文脈においての分析の紹介は大阪大学の大竹文雄氏が詳しく紹介されている*1が、それらとは違った視点で考えてみたい。何故、このような反対声明文が作られたのであろうか?

実は興行側は簡単にチケット転売を防止することができ、実際にそれを部分的に行なっている。コンサートのチケットに記名をし、入場のときに身分証を提示させれば良い。実際に行なっているケースは少ないようだが、転売チケットが締め出されていたと言う報告例もあり*2、身分証の提示が求められると書いてあるチケットは少なくないようだ。興行側は、チケット転売の防止をファンに頼む必要は無い。

何を考えて価格をつけているのかは、興行側に聞いてみないと分からないが、転売防止を言う本音は、暴力団の類の収益源を絞るためな気がする*3。完全な憶測だが、複数のチケットの獲得を試みつつ、そのうち一つ当たればいいやと言うファンが大量にいるから、需給が一致しているのに混雑しているだけで、言うほど需要超過なのでは無く*4、興行側が自らセカンダリ・マーケットをコントロールするほどでは無いのであろう。何はともあれ、興行側が現在の価格・販売戦略のままチケット転売の防止を行なうことは容易だ。なぜ、わざわざ人気アーティストに反対を表明させたのであろうか。

身分証の提示による本人確認を強化するためでは無いであろうか。転売屋から買った人でも、友人から買った人でも、ファンだからやってくるわけで、その場でいきなり締め出したら見込み客が減ってしまう。チケット転売は悪い事だと繰り返し表明しつつ、身分証の提示をチラつかせていけば、いきなり締め出される人は減る。締め出されても、興行側の非道を責める人は限られる。こういう算段で、ゆっくりと社会規範を作っているのだろう。ドイツで行なわれた2006 FIFAワールドカップで、身分証の提示による本人確認を徹底しようとしたが、チケット販売などで混乱が見られて失敗したと言う逸話があるので、事は慎重に行なうはずだ。

*1チケット転売問題の解決法 大竹文雄の経済脳を鍛える 日本経済研究センター

*2【注意】プリライで身分証の確認ができず入れない子が50人ほどいる模様 土下座する人も #プリライ - NAVER まとめ

*3組織的にチケットを抑えてしまう業者の存在があると言われる。

*4実際のチケット獲得難易度は存じないのだが、好きな人はかなりの頻度で出かけているように思える。大金を払っているのを隠しているのかも知れないが。

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