2013年7月4日木曜日

フラット・タックスはなぜ導入されないのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

日本だと余り見かけない議論だが、海外だと所得に関係なく一律の所得税率をかけるフラット・タックスはそこそこ見かける政策だ。ロシアやエストニアでは実際に導入されている。理論的には軽減措置の無い消費税と大差ない政策になるのだが、米国でも話題にあがるらしい。

BBCの政治リポーターが、このフラット・タックスが英国で導入されないと言うか、選挙の争点にもならない理由を説明している(BBC)。曰く、フラット・タックスの導入は、

  1. 高額所得者の減税となる一方で、公共サービスの縮小や低額所得者の増税となる事を指摘している。英国では所得上位10%が、所得税の59%を払っているので、彼らの負担が減った分、所得下位の人々がより多くの税金を払わないといけない。
  2. 税制の簡素化にも役立たない。複雑な税制がビジネスに会計士と弁護士の軍団と、税制と税率を監視する官僚の軍団が必要になり、それらは新規ビジネスの阻害になるので雇用機会を減らしている主張もあるが、税制の複雑さは所得税率とはほぼ関係の無いところに起因している。複雑なビジネスが、複雑な税制を必要としている。

という事のようだ。公共サービスの縮小を目指す、“小さな政府”の信奉者がフラット・タックスを推進しているわけだが、英国ではそういう人々は多くは無いと言う事であろう。租税回避のために地下に潜っている経済も大きくは無いであろうし。

3 コメント:

匿名 さんのコメント...

フラット税が「小さな政府」主義者というのは、相関はあるけど必ずしも結びつかないのでは?
ロシアは逆に税収が上がったのですから、税収で言えばより「大きな政府」になったわけです。

フラットタックス導入国(主に東欧の中小国)に対して独仏のリベラル大国は、自分たち同様に過激な累進課税を導入するよう圧力を掛けており、フラット税を課税ダンピングと非難しております。

ただこれは一面的な見方で、法人(資本家)税のダンピングは容認して個人所得課税のダンピング競争は敵視・禁止するというのでは実質的にはサラリーマンへの差別重税でしょう。公平性の観点から所得税と法人税はペッグされるべきで、法人税のダンピングをやるなら所得税もダンピングすべき。

法人と個人、所得と支出の税制が完全に統合されているフラット税は公平性があると言えます。

格差についての考え方にしても、資本主義を原則としているので、あって当然と考えます。差をつけられた方が餓死、凍死するなら問題ですが、最低限の生活を保護するなら格差自体を悪者扱いする必要はないのです。


それ以前に、年収800万ごときを超えただけで限界税率40%を搾取される英国の過酷な個人所得税はマジで廃止したほうがいいと思う。これとフラット税、どっちが異常なんだろう?
おれはイギリスのほうが異常だと思う サラリーマン虐めだよ

あと、euの旧西側の先進国のどっかで導入されたら、他国に直ぐに伝播すると予想。まあ、「自分が金持ちになりたくないからと言って、相手の稼ぎも妨害する」独仏の左翼が妨害するんだろうけどね。

匿名 さんのコメント...

まあ、超簡単に言えば、財源の問題じゃなく嫉妬の問題だ。
格差が問題であるのは、ある人がより金持ちになるとき、そのせいで他者が貧しくなり場合だ。
もし、他者に悪影響を及ぼさないのに、より多く稼いではならないと言うなら、それは間違いなく嫉妬である。差は悪ではない。

上げ潮は全ての船を浮かせる

それでも浮いてはならないという理由はない。

匿名 さんのコメント...

追記
消費税と大差ない政策とあるが、結構な差があると思う
消費税反対論者は貯蓄性向・消費性向を問題として逆進性を批判するが、フラットタックスは逆進性がない。

ロシアであれウクライナであれ、フラットタックスの国は同時に高率の付加価値税も同時に課している。当事国もフラット税と付加価値税は違うものと見なしていると言うわけです。

コメントを投稿