2013年6月28日金曜日

ネズミに有効な敗血症の薬が人間に効かないワケ

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実験動物と言えばネズミが代表的だが、そのネズミの実験結果が必ずしも人間には当てはまらない理由を示した研究が、以前に紹介されていた。PNASに掲載された論文によると、ネズミに有効な敗血症の薬が人間に効かないことが多々あるらしく、臨床実験に失敗した数は150近くに上るそうだ(NYTimes)。

敗血症は感染症などが原因の免疫過剰反応による急性循環不全で、肺毛細血管を血清があふれ出し、重要な器官が呼吸不全になり、最終的には死に至る。毎年、米国では75万人が発症し、そのうち四分の一から半分が死亡し、170億ドルの損害があるそうだ。集中治療室で最も多い死亡原因である。

さて、上述のPNAS掲載の研究では39の研究者が10年をかけて、火傷、外傷、敗血症の患者の白血球を採取して、免疫の機能を調査した。その結果、マウスと人間では遺伝子の働き方の違いが分かったそうだ。

例えば、マウスではある遺伝子が機能しているので、それを無効化する薬が有効になるのだが、人間はその遺伝子は抑制されているため、薬が逆に有害になりうる。また、マウスでは火傷、外傷、敗血症でそれぞれ異なる遺伝子が機能するのだが、人間ではどの状況に陥っても、三つの遺伝子が同時に機能する事が分かった。

ScienceNatureに掲載を拒絶された論文なのだが、ちょっと内容が画期的すぎたのかも知れない。信憑性は追試されない限りは判断がつかないが、製薬などにマウスを使う事の妥当性に疑問を投げかけているのは興味深い。モルモットがハツカネズミに対してダイオキシンに弱すぎると言う話を思い出した。

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