2011年8月9日火曜日

英語が粗雑な人に勧めたい『英語ライティングルールブック』

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グローバル化で英語の必要性が増して来ており、インターネットで英語を記述する機会も増えてきた。私も何度か海外サイトのサポートとEメールでやり取りを行う必要があったことがある。しかし単語を並べて何とか意思疎通は出来たのだが、それが『正しい英語』であった自信は無い。

『正しい英語』にも色々と条件があって、文法はもちろん語法・句読法等も英語風にした方が望ましい。通じればいいと言う人もいるが、一般的な英語の方が意図が通じる可能性は増す。要領を得ない書き方は、日本語でも英語でも混乱を生むからだ。

英語ライティングルールブック』は、比較的平易に書かれたライティング時に日本人が注意すべき文法・語法・句読法の本だ。網羅的ではなく間違いやすいものをピックアップしており、英語で頻繁に文書を書いている人にお勧めしたい。思い込みのチェック的に使う事ができる。"I learned English"と"I studied English"のニュアンスの違いが分からない人には役立つ。

著者のデイヴィッド・セイン氏は英語のネイティブ・スピーカーであるのだが、日本語の説明文は簡潔で分かりやすい。日本語をこれだけ使いこなしている英語ネイティブであるのだから、書いている事は恐らく真っ当だ。またセイン氏は日本人の妙な日本語を指摘する著作を多数出しており、ジャングリッシュの権威とも言える。

『英語ライティングルールブック』は、文法編、語法編、句読法編、アメリカ英語とイギリス英語の四章で構成されている。目次から必要な説明を検索しやすいので、辞書的に使う事もできる。難易度的には特に専門性が高くはないので、英語のEメールのやり取りが多い人向きであろう。補助教材の『英語ライティングワークブック』も刊行されており、職場で英語を使う人が土日にこっそり知識の確認をするのに向いている。

逆に余り単語や熟語を知らない人には読むのにつらい構成の本になっている。作文の構成方法などのアドバイスや、使い勝手の良い熟語の紹介などは無いので、TOEFLライティングの参考書などを先に勉強してから、『英語ライティングルールブック』を読む方が効果的であろう。英語Eメールのノウハウを知りたい人も、良く使う言い回し(e.g. "Thank you in advance for your assistance.")が紹介されているわけではないから、直接は役に立たない。TOEICで点を取りたい人は、恐らく読むと時間の無駄になる。

それでも妙な英語を書くのを避けたい人にはきっと役立つ一冊だ。恥ずかしいので私がどれぐらい思い違いをしていたかは言わないが、海の向こうに笑いか怒りをもたらしていたのは確かなようだ。普段英語でメールをやり取りしていても相手が変な英語を注意してくれる事は無い。向上心がある人は、こういうHow-to本で英語を磨くのが良いと思う。

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