2022年7月9日土曜日

安倍元総理の暗殺は、要素分解すると日本では前代未聞の珍事ではない

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奈良県西大寺駅前ロータリーで演説中の安倍元総理が手製の銃で暗殺された事が驚きをもって受け止められている。確かに驚いたのだが、要素分解すると日本では前代未聞の珍事ではない。安倍元総理が殺害されたことをもって、日本が危険になったと言う話をちらほら見かけるのだが、早計だ。

政治家が襲われることはよくある。安倍元総理も2000年6月から8月にかけて土地ブローカー及び、それと共謀した暴力団員に自宅や地元事務所に火炎瓶が投げ込まれている(安倍晋三宅火炎瓶投擲事件)。

政治家が銃撃されたことも何回もある。平成に入ってからでも、1990年本島等長崎市長、1992年に金丸信自民党副総裁、1994年に細川護煕元総理大臣、2007年に伊藤一長長崎市長が銃撃されている。伊藤市長は死亡。30余年で5件ではあるが、日本の1年間の発砲事件は十数件に過ぎない。

手製の銃器は珍しいが、手製の爆弾やロケット弾を過激派はよく使うし、鉄パイプと黒色火薬を使っていると言う意味で構造的に特異でもない。イスラム教過激主義者が即席爆発装置(IED)作成情報をウェブサイトで公開しているそうだが、日本には1974年発行の『腹腹時計』というテロ教程本がある。

右翼やヤクザや左翼ではない人に政治家が襲われたのが意外とは言えるが、反社会的組織に属さない人が秋葉原通り魔事件のように、凶行に走ることもあった。元自衛官の凶行であることも、思いつくところで、1989年の中村橋派出所警官殺害事件、2018年の富山市奥田交番襲撃事件、2019年の吹田警察署千里山交番警察官襲撃事件とある。今回は犯人は20年ほど前に自衛官であっただけなので、元自衛官であったことが事件の性質を大きく左右はしていないと思うが。

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