2022年6月15日水曜日

ロシアに報酬を与えるか、ウクライナに武器を与えるか

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ウクライナのドンバス地方では、榴弾砲とロケット砲の火力に勝るロシア軍がウクライナ軍を押し込みつつある*1。一ヶ月ぐらい前まで、ロシア軍の脆弱さを語っていた動画配信勢の皆様に反省して欲しいのはさておき、相互の対空ミサイルと対戦車ミサイルが有効なためか、無限に広がるかのような青空の下、地平線の先まで続く農地の中で、遠距離から大砲の弾を打ち合う戦闘が行なわれている。

欧州の外交筋は不法な軍事侵攻による報酬をロシアに与えないことで一致していそうで*2、かつNATOは参戦しないことになっているので、ウクライナ軍にひたすら武器を供給してロシア軍を追い払ってもらうしか無いはずなのだが、欧州勢の重火器の提供ペースは遅い*3。既にウクライナからは700万人以上が周辺国に難民として流出しており*4、定着されてしまうと欧州の社会や経済への影響は大きい*5。また、ウクライナで生産した食料の運搬問題から、アフリカなどで飢餓が生じる可能性もある。ほとんど選択の余地は無いはずだが、欧州は欧州なのであろうか。

*1前々から指摘されていたのだが、昨日、定量的に分析している人が出ていた。一日の砲弾数にしてウクライナ軍はロシア軍の1/10だそうだ。

*2Western powers oppose linking Ukraine peace talks to sanctions relief for Russia | Financial Times

*3米独からM777とPanzerhaubitzeパンツァーハウビッツェ 2000が送られていたりするのだが、数が足りていない。

なお、砲兵を訓練しなければいけないと言う話があるが、米軍の場合は7週間で初期訓練を終えることができるそうだ(Reserve Artillery (Gunner) | Defence Careers)。

*4近隣国に逃れたウクライナ難民の数 ~地図で見るウクライナ情勢~:時事ドットコム

*5ウクライナ人口の15%超に達する一方、子どもと高齢者と女性がほとんどなので、ウクライナという国家へのダメージも甚大だ。

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