2022年4月15日金曜日

メディアは人々の認識に影響を与えている

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ネット界隈でメディアの報道内容が民意に悪影響を与えていると文句をつけている人々は少なく無いが、半分ぐらいまでは正しい意見だ。

普段は保守系放送局のFox Newsを観ている304名に、1ヶ月間の間、時間あたり15ドルの対価で最大7時間ほどリベラルな放送局CNNを観てもらったところ、ジェイコブ・ブレークへの銃撃事件への抗議は過剰だと言う意見や、ジョー・バイデンが大統領になれば警官殺しが増えると言うような意見に賛成する人が減ったと言うランダム化比較実験(RCT)の研究(Broockman and Kalla (2022))が話題になっていた*1

探せば似たような研究は色々とあるハズ。以前にも、リベラル系のワシントン・ポスト誌と保守系のワシントン・タイムス誌をタダで配ると、政治知識や政治意見や投票率は変わらないが、民主党支持者に投票するようになると言うRCTの研究(Gerber, Karlan and Bergan (2009))もある。保守系メディアに接してリベラル候補を支持するようになるのは話が崩壊している気がするが、真の保守は新聞など読まないので…たぶん。

何はともあれ、メディアは何かの影響を与えている。メディアが世の中を悪くしていると言いたくなる。しかし、これらの調査はRCTなので、人々が特定の報道偏向を求めて接するメディアを変えていることは考慮されているが、メディアの方も視聴率や閲覧数を指標に報道内容を決めているのであれば、メディアは受動的なので、メディアが元凶とは言えない*2。そもそも、個々の報道が偏っていたり不足していることはあるであろうが、全体として悪い影響を与えているかも分からない*3

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