「夜の街」のPCR検査をクローラー的に実施しているせいか、毎日の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)新規陽性者数が飛躍的に増加し、そのほとんどが無症者や軽症者という事態が一月半ほど続いている。検査方針の変更で大きく陽性者数が4月よりもかさ上げされているのは間違いなく、統計の見た目ほどは感染は広まっていない。しかし、1ヶ月も経てばPCR検査で陰性になる事を考えると、感染者のほとんどはゴールデンウィーク後に感染しており、感染が拡大しているのは事実だ。
さて、歌舞伎町で遊んでいる人々は自分でリスクを負うのだから放置すればよいと言う話があるのだが、外部不経済はそこそこある。岐阜市若宮町のナイトクラブ「シャルム」で、岐阜大学付属病院や金沢市岡部病院の医師が感染していた事例や、新宿の小劇場、シアターモリエールの集団感染者の中に看護師がいたことが報道されていたが、接待飲食や性風俗といった「夜の街」の顧客の中には医師や介護士も含まれる。医師や介護士は高齢者や既往症のある人々をケアすることになるが、対策を打っていてもどうしても濃厚接触を回避できない場面はある。実際、病院で集団感染は何度も発生している。「夜の街」で遊んでしまう医師や介護士の賃金を下げるなどできればリスクを内部化できるが、現実的にはそんな事は無理だ。「夜の街」の方のサービスを感染可能性の低いものにするのも限度がある。
歌舞伎町の2ホップ先にすぐ死んでしまう高リスク群はいる。幸い、今のところは死亡者数や呼吸管理が必要な重症者数の増加は見られていないが、到達したらかなりの致死率があるので、すぐにこれらの指標は跳ね上がる。小池都知事はそれを防止するためにPCR検査の徹底による早期隔離を徹底しているのだと思うが、この新型コロナウイルス、最近は感染後2週間もすれば、他人にうつす可能性がほとんど無いことが分かっている。「夜の街」の従業員と顧客に感染が集中している現状であれば、2週間ほど接待飲食や性風俗だけロックダウンするだけで、再生産数がかなり小さくなって大きく新規感染者数を減らすことができる。顧客の中に2週間以上保存されるケースもあって、しばらくしたらまた感染が広まると思うが、また「夜の街」だけロックダウンすれば感染抑制できる。そして、何回も繰り返したら「夜の街」のホストとホステスは免疫獲得集団になって、感染経路として機能しなくなる。なお、新型についてはまだ確定的な話はないが、従来型コロナウイルスへの免疫は一年程度は有効だそうだ*1。
*1「緊急寄稿(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察(白木公康)|Web医事新報|日本医事新報社」に、以下のようにある。
再感染の時期については,粘膜感染のウイルスは,粘膜の免疫が一度産生されたIgA抗体の消失まで約6カ月続く。そのため,3カ月までは再感染せず,6カ月ぐらいでは再感染するが発症せず,1年経つと以前と同様に感染し発症するとされる。
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