2023年3月31日金曜日

ロシア軍の武器・弾薬・装備切れ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

昨年秋には旧式のT-62M*1を前線に投入していたロシア軍だが、骨董品の戦車T-54/55*2を倉庫から引っ張り出していることが確認された。

ウクライナ軍にはチャレンジャー2,レオパルト2A7,M1エイブラムスの第3.5世代の戦車が供給されつつあるので、相対すれば動く棺桶に近い。さすがに自走榴弾砲のように運用するのではないかと想像されているが、戦車か榴弾砲か榴弾砲の弾薬が不足している事が分かる。

ロシアでは電子部品の不足から戦車の製造ラインが止まっているそうで、弾薬不足による砲撃回数の低下が指摘されている。

地味なところで、対砲兵レーダーZOOPARK-1Mも不足しだしているのではないかと言われている。ロシア軍は、ここまでの戦いでかなりの損失を出してしまっている上に、西側のハイテク電子部品に依存するため、補充品の製造が困難になっているそうだ。対砲兵レーダーは、遠距離から飛来する榴弾を感知して、発射元の榴弾砲の位置を特定する電子機器で、今回の戦争で有用なことが示された装備だ。攻撃元の榴弾砲が動いて逃げる前に反撃することを可能にする。逆に言うと、無いと一方的に攻撃されかねない。七面鳥撃ち。榴弾砲の精密射撃が可能になっているので、致命的なことになる。

ロシア軍の地上部隊の質が低下しつつあるのは間違いない。ウクライナ軍の方も砲弾不足に悩まされており、ウクライナ軍に武器と弾薬を供給している欧州も武器製造メーカーもラインが逼迫している上に、電力不足でラインが増強できないようなことに陥っているが、米欧をあわせた生産能力は圧倒的にロシアを上回るわけで、何だかんだと帳尻をあわせてくる。主力戦車の他にも、パトリオット対空ミサイルの訓練と配備が行なわれるなど、ウクライナ軍の武器や弾薬の不足は時間で解消されている。この戦争、ロシア軍は限界が来たらすごい勢いで前線を後退させているのだが、同様のことがまた起きるかも知れない。

*11960年代の第2世代とされる戦車に近代化改修を施したものである。

*21950年代の第1世代とされる戦車である。

0 コメント:

コメントを投稿