2021年11月23日火曜日

梅田ロフトで開催されたrurudo個展「PLAYROOM」のリボンで隠された乳首と局部の他は裸体の少女の絵の展示を擁護するために必要なことは

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

エロティックで何が悪い? — と言う開き直りです。まずね。

梅田ロフトで開催されたrurudo個展「PLAYROOM」でリボンで乳首と局部が隠されただけの少女の絵が目立っていると言う指摘があり、店舗が謝罪し、店内の通路からは個展に展示された絵が見えないように遮蔽物が設置された上、問題とされた絵が撤去されることになった(togetter)。この問題よりも、中国のウイグル政策やら、中国テニス選手の失踪劇の方をもっと非難すべきだと言うのは、呆れる露骨さの論点すり替え論法(Ignoratio elenchi)による擁護を見かけた。

1. エロティックではないとは言い難い

SNSで非難されている理由はエロティックであること。エロティックだから悪いと言われている。そして「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンや『温泉むすめ』の絵などと異なり、露出度などからエロティックであることを否定するのは無理だ。この際、エロティックなことは認めてしまおう。皆さん、エロ可愛い絵が大好きなわけで、エロ可愛い絵の展示を擁護する理屈をしっかり作るほうが、道理にかなっている。

2. 有害とされる理由を整理して、反論をつくる

エロティックで何が悪い? — と言う問いへのネット界隈の表現規制派フェミニストの返事はそれぞれであろうが、それでも次の6つに集約されると予想できる。

  1. 児童が描かれているのだから児童ポルノ*1
  2. 性的搾取*2
  3. 性的対象化(性的モノ化)された絵である*3
  4. 男性が感化されて、小児性犯罪を増加させる*4
  5. 少女と少年の健全な精神の発育に悪影響を及ぼす*5
  6. 女性の尊厳を毀損している*6

この6つに対する反論を用意しておけば、議論が説得的になる。反論が用意できなければ、宗旨替えしろ。表現の自由戦士は(3)への反論を用意している一方、(1)(2)に関しては明確に言語化していない気がするし、(5)と(6)に関しては無視している。なお、(3)に関しては以前のエントリーで無問題なことを説明したのだが、あまり広まっていなくて残念なところである。

反論を意識したら、反論は可能なはずだ。今、擁護のために並べられていることの一部は、(5)と(6)に関わってくる。(5)の害悪の程度や害悪の抑制策によっては、功利主義的に表現物の製作者クリエイター愛好者ファンの利益の方が大きいと言える。(6)は尊厳のある女性像、あるべき女性の姿が何かと言う問題に行き着くが、製作者が女性であることは、あるべき女性の姿のひとつと言えるかも知れない。フェミニストの理想とは異なるのであろうが*7

追記(2021/11/23 22:26):他にもあるよと言う指摘があったので。

  1. 公然と見せられると不快

3. 理屈をつくり広めることで、本当の表現規制に対抗する

きっちり理屈をつくっておけば、商業的にエロ可愛い絵を使う団体も心強いであろうし、SNSではない本当に政策に影響を与える場でも、ひとつの考え方として紹介されるかも知れない。表現の自由戦士としては、やはり法規制こそを避けなければならないはずだが詭弁に頼るような擁護だと、多数派である良識ある傍観者の支持を得られない。イギリスやオーストラリアでは非実在児童ポルノ規制をしているから日本でも・・・と言う雰囲気提案は今後もされる可能性は高く、そのときに筋の通った理屈をなるべく大勢で共有しておくことは、表現の自由を守る力のひとつになる。ツイフェミを論破? — 意見を変えてくれるわけもなく、意味がないから。

*1実在児童ポルノは未成年者である被写体に不利益がある蓋然性が高いことから規制されているが、非実在児童ポルノには被写体である人格がいない。

*2架空のキャラクターを描いており、被写体である人格はいないので、搾取の対象はいない。よって性的搾取にはならない。

*3性欲に突き動かされ人格をモノのように粗雑に扱うことを性的客体化/モノ化と言うのだが、モノ化とは人格をモノ扱いすることなので、架空の女性キャラクターのように人格では無いものはモノ化されない。モノ化された女性を描いた絵画の議論もあるのだが、それでは現在の日本の創作物の状況では問題とされない(関連記事:過去のフェミニズムの議論からは、性的モノ化された萌え絵が有害の可能性は低い)。

*4非実在児童ポルノと小児性犯罪の関係を直接検証した研究は寡聞にして知らないが、過去の研究からはポルノと性犯罪の関係は無いと考えられている(Diamond (2010))。また、非実在児童ポルノが違法な国の小児性犯罪が少ないと言うわけではない。ただし、無理な理屈でも“予防原則”で規制強化を訴える論者が政府の会議に出席していた(関連記事:渡辺真由子のマンガ・アニメ・ゲーム内の性的描写規制論を振り返る)。

*5肌の露出に限って議論したがる表現の自由戦士は多いが、どちらかと言うと性的魅力を振りまいて男性を惹きつける態度が問題にされている(関連記事:エロ可愛い格好は女性に有害

*6関連記事:ツイフェミは女性の尊厳を毀損していると感じる絵を非難している

*7女性はセックスキャピタルをもっと活かすべきだと言う主張もあり、それから考えればエロ可愛い女性はあるべき女性像のひとつとなりえる。

0 コメント:

コメントを投稿