2020年7月21日火曜日

ジェンダー社会学者が体現する、社会圧が無くなったら女性は化粧をしなくなるのか、それともやはりするのか問題

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カネボウ化粧品の新しいCMが、ネット界隈の一部のフェミニストに非難されている。一部と言うか、社会学者の千田有紀氏*1。曰く、「生きるために、化粧をする。」と言うキャッチコピーが気に入らないそうだ。社会が女性に化粧を強いていると言う発想があるようだが、話はそう簡単でもない。

女性は、化粧が好きだ。Youtubeに達人スゴ技がアップロードされて賞賛コメントがつく現象があったが、心理学/社会学方面の研究によると、化粧は、同調圧力や他者への魅力向上と言った実利的な理由*2の他、リラクゼーションを目的にしていることが指摘されている*3。化粧は古来から礼儀作法として化粧が行われてきたが、1980年代にボディコンシャス(i.e. 出世の道具)に意味合いが変化し、1990年代に女子高生が化粧をするようになって、趣味的な色合いが強くなった*4。化粧品口コミサイトのコメント群を見ても、不本意に社会圧に従うと言う感じではない。比較して減量や筋トレは・・・おっと話がそれた。

さて、千田有紀氏は韓国の脱コルセット運動を紹介する。

脱コルセットとは、女性たちを縛る美の「コルセット」を脱ぎ捨てようという運動である。痩せていなければならない、髪の毛は長くなければならない、化粧をしなければならない。そういった女性達自身をも縛る「コルセット」を脱ぎ捨てた女性たちは、髪の毛を切り、眼鏡をかけ、化粧をやめて素顔に戻る

社会圧が無ければ、女性らしい髪形も服装もされないと言う主張に読める。つまり、生きるために必要がなければ、化粧はされないと言う主張だ。しかし、画像検索をした限りではだが、千田有紀氏は女性らしい髪形で化粧をしている*5

千田有紀氏は武蔵大学の教授と言う職位があり服装が評価につながらない立場で、むしろジュディス・バトラーという女性らしくない格好をしているフェミニスト思想家に影響を受けた人のはずだが、女性らしい格好をしている。

「(自分らしく)生きるために、化粧をする。」であったら化粧をしてもよいと言う立場なのかも知れないが、その場合は脱コルセット運動と相反することになる。短いエッセイだが主義主張が一貫していないのが気になった。

*1女の化粧は「生きるため?」 CM批判から見る脱コルセット運動(千田有紀) - 個人 - Yahoo!ニュース

*2九島・齊藤 (2015)「化粧が対人印象に及ぼす影響 : 顔形態とメイクの差異による印象操作の実証的研究

社会的な意義が気になるところだが、外見的魅力が均一化されるため、容姿差別を緩和するという説もあるそうだ。

*3柳澤・安永・青栁・野口 (2014) 「女性における化粧行動の目的と自意識の関連

*4石田 (2007) 「わが国における化粧の社会的意味の変化について--化粧教育のための現象学的試論

*5ABEMA TIMESでは以下の画像で紹介されていた:

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