2020年4月8日水曜日

営業停止命令を出す代わりに損失補填を行なっても、後で興行税や外形標準課税に新項目をつくれば無問題

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格闘技のイベントで興行自粛しなかった事件が話題になっていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済対策では、“自粛”要請に応えた各種興行や飲食店などへの損失補填は盛り込まれなかった。企業への支援は税の納付期限の延期、特別貸付、小規模事業主への一律的な救済措置に留まり*1、またマクロ経済学者の政策提言でも同様だ。しかし、こと感染症対策と言う事で考えれば、営業停止命令と引き換えによる損失補填は悪い施策ではない。

COVID-19禍が(1)予想外の自然災害である一方、(2)資本ストックの喪失がほぼ無く、(3)人的損失も大きくは無い特殊状況であることに注意しよう。損失を補填しても、バブル崩壊後に問題になった(a)ゾンビ企業のようなことは起きないし、(b)事業主が営業停止に快く応じるようになるし、さらに(c)コロナ禍が収束した後の景気回復が迅速になる。

組織も再構築するのには手間隙時間がかかるので、安易に潰してよいわけではない。もちろん需要や環境の変化に応じて事業主の淘汰は回避できず、またやり方が不味いところは淘汰されるべきなのだが、地震や台風など以上に予想外の自然災害で経営手腕が悪かったとも言い難いし、(2)と(3)から一過性の自然災害で事態が収束したあとに経済活動は元に近い水準に戻ることが予想される。

デメリットも小さい。事後的に救済されることが分かっていたら、悪い事業計画を持つ企業がそれを隠して金融機関から融資を受けようとするのがゾンビ企業問題*2なのだが、実際問題、コロナ禍を予測して事業計画を立ててきたわけでもないし、しばらく経ったらスペイン風邪の後のように、また新型感染症の流行を予想しないようになる。もちろん事業リスクとして考えるべきなのだが、救済しなからと言って考えるようになるわけでもない。

既に客足は減っている面もあり、特定業種を過度に救済することにもなりかねず、不公平に感じる人もいるであろうし、放蕩財政になってしまうリスクも確かにある。また、新型感染症流行も、やはり事業リスクとして内生化するようにしたい。これらに関しては、新税を創設すれば問題を解決できる。具体的なスキームは色々考えられるが、例えば国債か地方債を発行して払っておき、興行税や外形標準課税に新項目をつくり、事後的に回収すればバランスが取れる。

支援と引き換えにロックダウンを呼びかける方が、感染症対策に寄与する。小規模事業主ほど潰れそうになったら闇経済で何かしがちなもの。各種興行や飲食店に気持ちよく協力してもらうことで基本再生産数R₀を小さくすることができれば、少なくとも補償原理に従っては、社会厚生を改善することはできる。思い切った施策にはなるが、自民党やその支持者に小規模事業主は多いであろうし、政治的にもそう悪い話ではないはずだ。

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