2020年4月30日木曜日

東京新聞に掲載された抗体検査によって市中感染の程度を調べた結果に、感度と特異度による補正をかけると

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東京新聞が「<新型コロナ>抗体検査5.9%陽性 市中感染の可能性 都内の希望者200人調査」と言う記事で、立川市の久住英二医師のウェブで希望者を募集した抗体調査の結果を紹介しているのだが、感度と特異度の補正をしていないようなので補正してみよう。

2020年4月25日土曜日

専門家会議が求める「人と人との接触機会を8割削減」がほぼ達成されている

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可能性がそこそこある。

4月7日の緊急事態宣言の後、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は繰り返し「人と人との接触機会を8割削減」を求めているのだが、何時を参照点として8割減なのか、現在目標にどこまで接近できているのかはっきりしない人は多いと思う。どれぐらい感染予防とヒキコモリ生活を頑張ればよいのか。

2020年4月23日木曜日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、新規陽性者数がピークアウトした後も、しばらくは入院者数と死亡者数は増える

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先週ぐらいから新規感染者数が減っているとされる一方、死亡者数が増えていることに対して、政府がPCR検査を絞っているから陽性者数の増加をキャッチできていないからだと言う主張があるのだが、PCR検査基準が変化しているわけではないし、新規感染者数と死亡者数の推移にはラグがあることに注意して欲しい。

2020年4月20日月曜日

日本はPCR検査能力が逼迫しているので、新規陽性者数が頭打ちなのか?

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ここ1週間ほど全国の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)新規陽性者数の上昇の伸びが止まっているのはPCR検査能力が逼迫しているためであって、市中では感染が広まっていると言う説を唱える人が増えてきた。社会調査データの処理の専門では無さそうだが、感染症の研究者もその中に含まれる。しかし、幾つか説に合わない数字や話があるので、指摘しておきたい。

2020年4月17日金曜日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策は、勘所を押さえれば済む

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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者数増加で、欧米の一部の都市でとられているロックダウン*1を実施すべきだと言う声が大きくなってきた。不安に駆られて主張しているのだと思うが、今日までの東京都の新規感染者数の推移を分析する限りは、ロックダウンせずに危険性の高い活動を抑制すれば十分足りるし、闇雲な対策は維持できなくなるので意味が無い。

2020年4月15日水曜日

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に永続的な免疫がつかないとすると

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当たり前なのだが、風土病になる可能性が高い*1

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関しては、SIRモデルで今後を予想する事が多いのだが、風邪を引き起こす旧型コロナ・ウイルスは感染して治っても、一年ぐらいで抗体を失って再感染するようになる*2。SIRモデルで考えていると、脅威を過小評価することになるかも知れない。免疫が喪失されるようにSIRモデルを拡張したSIRSモデルを計算するのも容易なので、試しにやってみよう。

小池都知事の“夜の街”自粛要請はぼちぼちの新型コロナ感染症(COVID-19)対策として滑り出す

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3月30日夜の記者会見で、小池百合子都知事が新型コロナ感染症(COVID-19)対策として“夜の街”自粛要請を行ったが、12日が経過したので滑り出しを評価したい。

感染から発病までが5日間、発病から重症化までが7日間と言われているので、施策に効果があれば、12日後ぐらいから顕在化してくる。4月12日から14日まで3日間の累積要請者数を、3月29日から4月11日までの回帰分析からの予測値と比較してみたのだが、12日からトレンド線から下方に乖離していっているのが分かる。予測値をつくる期間を4月1日~11日、3月1日~11日に変えても、下方にシフトは変わらない。4月1日から8日で予測値をつくっても、4月12日から乖離が大きくなる。

2020年4月13日月曜日

BCGワクチンCOVID-19抑制仮説の検証方法に関する神経科学者×経済学者の議論について

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BCGワクチン接種COVID-19抑制仮説に関して、科学的な結論を知りたい人は、アイルランド、オーストラリア、オランダなどのランダム化比較実験(RCT)の結果がこれから出てくるので待つべき*1だが、神経科学者の宮川剛氏と経済学者の川口康平氏がそれぞれが行ったこの問題に関する分析に関する議論で、計量手法の観点から幾つか気になった点があるのでコメントしておきたい。

2020年4月8日水曜日

営業停止命令を出す代わりに損失補填を行なっても、後で興行税や外形標準課税に新項目をつくれば無問題

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格闘技のイベントで興行自粛しなかった事件が話題になっていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済対策では、“自粛”要請に応えた各種興行や飲食店などへの損失補填は盛り込まれなかった。企業への支援は税の納付期限の延期、特別貸付、小規模事業主への一律的な救済措置に留まり*1、またマクロ経済学者の政策提言でも同様だ。しかし、こと感染症対策と言う事で考えれば、営業停止命令と引き換えによる損失補填は悪い施策ではない。

2020年4月5日日曜日

ニューヨーク州の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)基本再生産数R₀を推定してみたら、やはり破滅的だった

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リクエストがあったので、ニューヨーク州(半分以上は市)のデータから、東京都の推定などに使ったのと同じ推定モデル、同じパラメーター暗数7割と回復率γを仮定して*1、(a)3月1日から4月4日までの1ヶ月ちょっと、(b)3月1日からの1週間、(c)4月4日までの1週間の3種類のR₀の推定と、最後の(c)のR₀(に従うβ)をパラメーターにとる4/4からのSIRモデルによる予測を描いてみた。

2020年4月4日土曜日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で、都市ロックダウンは有効か?

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感染者数の増加で、欧米の一部の都市でとられているタイプの“ロックダウン”を東京でも実施すべきだと言う声が大きくなってきた。疫学者も少なくとも一つのチームはそう主張している*1。しかし、(1)現状の感染パターンからは大きな効果を望めないし、(2)失業者のさらなる増加*2や学業の阻害になる*3一方で、(3)ロックダウンの解除後に感染者の増加ペースが元に戻る可能性がある。

2020年4月2日木曜日

フェミニスト写真家にとっても、髪型とパンプスは女性の一部

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HUFFPOSTで、女性差別的な古い広告の男女を入れ替えたバージョンを撮っているフェミニストのアーティストのEli Rezkallah氏の性差別を批判する作品が紹介されていたのだが、男女の行為の他、服装を入れ替え気味にした構図の写真でも、髪型とパンプスが維持されている。性別が識別できなくなってしまうためであろう。人々が自然に女性を女性だと認識できて、かつジェンダー固定観念に縛られない表現は難しい。そして、Rezkallah氏も女性が被写体の作品をプッシュしているような気が 。

2020年4月1日水曜日

シンゾー、日本がどれぐらいヤバイか分かっている?

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コロナウイルス感染症(COVID-19)だが、直近1週間のデータからSIRモデルで推定すると*1、11月24日に感染者数が全国民の18%とピークを向かえ、2割の446万人が入院する必要が出てきて、3%の67万人が酸素吸入以上のケアが必要になり、さらに収束するまで1年半かかり、重症者の累計は314万人に達する*2。単純な数理モデルで精確かは分からないが、欧米の惨状を見る限りは全くの計算違いとは言えない。