2019年6月1日土曜日

北朝鮮の核・ミサイル開発問題で、日本が蚊帳の外でよかった

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

…と、安倍総理が思っているかは定かではないが*1、文在寅劇場が打ち切りになりそうである。

2018年4月の板門店での南北首脳会談では、朝鮮半島問題の専門家の木村幹氏に「大国に従いながら、その力を利用することで、自立に向けて一歩ずつ進もうとしている」と褒め称えられていた*2のだが、その後、交渉を積み重ねた後の2019年2月のハノイの米朝首脳会談は物別れに終わった。

この後、北朝鮮は韓国に対して対話を閉ざし、板門店宣言1周年記念式典は韓国の単独開催になった*3。北朝鮮は融和よりも対話の拒絶の姿勢を見せるようになり、2019年5月4日には移動式の短距離ミサイルを発射*4するなど、国連の安保理決議違反を行っている。対米交渉を担当した幹部が粛清されたと言う報道も出ている*5。米国も文大統領への信頼を落としたようだ。米韓首脳会談でトランプ大統領と文在寅大統領の一対一の会談が2分で終わったと報じられ、「両首脳の夫人も同席した単独会談が約30分、側近らが同席した小規模会合が約30分、拡大会合が約55分行われた」と韓国外交部が反論する騒動が起きている*6

文在寅氏は早期の韓国訪問を要請*7するなど米韓関係が良好なことを北朝鮮にアピールすることで仲介者として能力を維持しようとしていると考えられるが、米朝の溝が大きく容易には合意に達しそうに無い。対北朝鮮制裁が効いているのであれば北朝鮮が音を上げる可能性はある*8が、そうなったときには韓国が仲介者として外交的に優位な立場に立つことは無いであろう。文在寅が無能だとは思わないが、北朝鮮の核・ミサイル開発問題で米韓の間に入ることが、火中の栗であったのは間違いない。もちろん、何かの拍子で大きな被害や負担を迫られる韓国は拾わざるを得ないものではあるが、安倍総理が割って入ろうとしていたらかなり滑稽な絵になっていた。

0 コメント:

コメントを投稿