2018年12月7日金曜日

ジェンダー法学会の被害告白はシンポジウムの内容に関係あった?

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山口貴士弁護士が、ジェンダー法学会のシンポジウムで、"me, too"と宣言して不規則発言・演説をした女性を他の質疑応答の時間を潰した迷惑行為として非難し*1、他の参加者が被害告白を場違いと責めるのは不道徳*2、質問時間は残っていなかったから迷惑行為ではなかったと山口氏を批判し*3、さらに山口氏がいやいやもっと時間があったような反論をしている*4のだが、議論のポイントが忘れ去られているのが気になった。

事実関係で一番大事なポイントが抜けている。ジェンダー法学会の被害告白はシンポジウムの内容と関係があったのであろうか?

個人的体験でも、報告内容を裏付けるものか、否定するものであれば、意味がないとは言えないであろう*5。しかし、企画趣旨・総論は「メディアとジェンダー」であり、報告は「メディアの現場からの報告」「メディア表現とネット炎上—異議申し立てと対立」「メディア表現とジェンダー・セクシュアリティ問題:多様性確保の困難性」である。現場にいた小川たまか氏は「当事者のmetoo発言を聞けてよかったと思っている」と言っているのだが、内容は紹介されていないので議論に関係があったのかわからない。

不用意なことを書いたら炎上したと言う報告でもないと関係しなさそうであるので、私の予想では御題と無関係な演説であったのではないかと思うが、真実は現場にいた人にしかわからない。特定研究に関する質疑にならない学会のシンポジウムは論点がぼやけがちなので、堅苦しく考える方が野暮な面もあるのだが、山口氏も山口氏の批判者も言及していないのが気になるところだ。実際、どうだったんですかね?

追記(2018/12/07 16:39):当日の司会者はFacebookで、

質問をふまえた議論の展開において、頂戴した内容を盛り込むことが難しく、また、傍聴者が多かったこともあり、代読することの是非やプライバシーの観点からも、シンポジウム後に対応すべきとの判断

した一方で、

シンポジウムの終了間際に、質問の手がほとんどあがっていなかった中で、用紙に書かれたMeTooの内容の発言が始められたため、発言者の方が極めて適切なタイミングを見計らわれて発言されたと判断

と言っている。報告内容にはさほど関係がないが、始まってしまったので放置したようだ。

追記(2018/12/11 20:21):山口弁護士のツイートからすると、やはり関係ないと言うか、加害予告的なものだったようだ。

*1山口氏が語るジェンダー法学会で起こった出来事

*2無根拠な誹謗中傷を交えてしまい"加害者”に損害賠償請求をされるかも知れないし、セクハラ被害を告白した人も秘密にしておいた方がよかったと後で後悔するかも知れないので、所かまわず勢いでセクハラ被害を訴えるのは危険だと思わなくもない。

*3ジェンダー法学会での #metoo について|Tamaka Ogawa|note

*4Tamaka Ogawa 氏「ジェンダー法学会での #metoo について」への反論: 弁護士山口貴士大いに語る

*5山口弁護士がブログのエントリーで指摘しているが、狂言や誤解による名誉毀損の可能性を考えると、例え報告に関係があっても公の場で喋らせておいてよいのかと言う問題は別にある。

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