2017年3月13日月曜日

崔順実ゲート事件の隠蔽と捜査非協力が弾劾理由

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3月10日に朴槿恵大統領が弾劾となり罷免された。正直、意外な面もあるのだが*1、裁判官8人全員の賛成であるので、韓国の基準では朴槿恵大統領が重大な違反を犯したのは自明なのであろう。憲法裁判所がどのような事実認定を行い、それがどの法令に違反したと認定したのかが気になるので判決文を探してみたら、意外な方向から弾劾理由をつけていた。

李貞美所長権限代行裁判官の宣告文*2では、崔順実ゲート事件について広い範囲で疑惑を事実と認め、私人である崔順実氏への利益供与は憲法・国家公務員法・公職者倫理法等に違反し、企業の財産権と経営の自由の侵害になると非難している。崔順実氏への情報漏洩は、国家公務員法の守秘義務等に違反と認定した。さらに、これらの事実を隠蔽して来た上に疑惑発覚後の捜査に非協力的であったことが、民主主義の機能を脅かすことから、弾劾相応の違法行為だと結論している*3。崔順実氏への利益供与と情報漏洩それ自体ではなく、隠蔽と捜査非協力が弾劾相応の違法行為としているのが、特色になる。具体的な条文などは挙げられていないので、不文律の大統領職務遂行規程になるようだ。

なお、国民情緒法もしくはデモ隊の圧力に負けてこのような判決を出したわけではなく、韓国社会では共有されている政治倫理が適用されたと考えられる。朴大統領をとにかく糾弾しようと言う判決にはなっていないからだ。文化体育観光部で公務員任免権を乱用したことと、大統領の圧力で世界日報社長が解任されたことは是認していない。また、セウォル号事件による努力義務違反は司法判断の対象とはならないとしている。最高裁判所は公平を期そうとしたと、ある程度は言えるでろう*4

*1関連記事:朴槿恵を弾劾する事はできるのか?

*2[전문]박근혜 대통령 탄핵 헌법재판소 선고문 - 경향신문』を機械翻訳にかけて参照した。

*3崔順実ゲート事件が弾劾理由のように広く報道されているのだが、罷免相応の違法行為になる説明の段落では隠蔽と捜査非協力的を挙げている。

*4細部ではこれを認定して良いのかと言う部分もある。朴槿恵大統領が企業にスポーツ財団への出資を強要したことを認定しているのだが、係争中で確定しているわけではない。スポーツ財団のガバナンスに問題があり、崔順実氏と大統領府前政策調整首席秘書官だった安鍾範氏が支配権を握っていた事、安鍾範氏が精力的に企業に出資を募っていた事は報じられており、崔順実氏に便宜を図ったことを認定するのは難しくないと思うが、企業トップが強要被害を訴えているとも聞かないし、具体的な脅しの方法も報じられていない。

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