2016年5月16日月曜日

消費増税反対派の妄想とは異なり、現実ではアイスランド政府はデフォルトしていない

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スウェーデンなど北欧の制度も良く誤解されている*1のだが、リーマン・ショック後のアイスランドも良く勘違いされている。例えば京都大学の藤井聡氏も「近年では、ギリシャやロシア、アルゼンチン、アイスランドなどが財政破綻しました」と書いていたし、最近は「2011年に政府債務を踏み倒したアイスランド」のような事を書いている人がいた。しかし、2008年から2011年のアイスランド金融危機でデフォルトしたのは市中銀行であって政府ではない。アイスランド政府はアイスランド市民以外の預金保護を行わなかった*2し、政府は各方面からの支援を受けてはいるが、その政府債務はデフォルトしていない。

ギリシャとアイスランドを対比するような言説は多いので、ギリシャ政府がデフォルトしたのだから、アイスランド政府もデフォルトしたと思い込むのであろう。『経済政策で人は死ぬか?』では、ギリシャは緊縮したがアイスランドはしていないと対比的に書いてはいるが、アイスランド政府はデフォルトしていないとは書いていない。アイスランド政府が2011年に、付加価値税(VAT)の基本税率を24.5%から25.5%に引き上げている事すら言及されていなかった。しかし、消費増税反対派の皆様の期待とは異なり、この国はある意味手堅くやっている。アイスランドの銀行にサムライ債を踏み倒された人は、そうは思わないであろうが。何はともあれWikipediaの記事に書いてあることぐらいは、確認してから色々と主張して頂きたい。一ヶ月に上述ブログのエントリーにコメントをつけておいたのに、未だに直していない所を見ると、誤認をしている人々にとって事実はどうでも良いのかも知れないが。

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