2013年11月20日水曜日

ハルビン駅に建立する方向らしい安重根碑は気にする必要が無い

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伊藤博文を暗殺した事で知られる安重根は、韓国では英雄として扱われている。そして暗殺現場の中国のハルビン駅に、安重根碑を建てようと言う動きがある。これに対して菅官房長官が「日韓関係のためにはならない」と不快感を述べたらしいが、この言及は不要であったように思える。

安重根の暗殺行為があった無かったで論争があるわけではない。その行為の歴史的意義について議論があるだけだ。安重根の評価を行うと、史実ではなく歴史認識の問題に立ち入ることになる。これは永久平行線の論争を生むだけだ。

安重根は暗殺犯でテロリストなのは間違いないが、テロ行為の是非は政治的意義、つまり抗日闘争活動の是非で語られるべき問題になる。渋沢栄一の証言によれば伊藤博文も幕臣二名を暗殺しているが、紙幣に肖像が印刷される程度には偉人として扱われている。

安重根が政治情勢を勘違いしており伊藤博文暗殺が韓国併合を早めたと言う議論もあるが、これは反実仮想に過ぎないので結論の出ない議論になってしまう。日本側から「安重根は勘違い野郎だから、ハルビン駅に記念碑を建てると恥ずかしいよ」と言うのも野暮だ。

暗殺記念碑の政治的影響力も良く分からない。米国に従軍慰安婦像を建てれば史実を誤解する米国人も出てくるかも知れない*1が、安重根像がハルビン駅にあっても史実を誤解する人は出てこないであろう。

従軍慰安婦問題だけではなく、国語教育、土地調査事業、募集・斡旋・徴用、産米増殖計画、創氏改名などで史実に反する思い込みを続けている事*2には粘り強く反論し続けていく必要はある*3と思うのだが、日本が朝鮮半島へ影響力を増していく中で、日韓外交で日本側の代表であった伊藤博文を安重根が暗殺した事は事実だ*4

日本政府の公式見解として、安重根が犯罪者であったことは変える必要は無い。しかし、安重根の碑や銅像が日韓関係を損なう理由も無いように思える。中国政府が受け入れを最終決断するかは分からないが、どちらに転んでも大した問題ではない。放置しておけば良いのでは無いであろうか。

*1米国内でも日韓関係に振り回される事に対する疑問が増しているようなので、韓国人運動家が狙っているような効果があるかは良く分からない(J-CASTニュース)。

*2韓国併合への道 完全版」を参照。

*3韓国は日本統治に人道に関する罪があると主張しており、これが万が一認められると「強行規範」として各種の賠償責任などが出てくるため、日本が負う責任が一気に重くなる可能性がある。

*4木村(2006-08)『「韓国内の『親日派』は国賊である」と言われたら』を参照。

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