2013年11月18日月曜日

通名の問題は制度改正で解決を

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前のエントリーで、通名*1は日本社会に馴染まない名前を持つ外国人の社会生活上の利便性を考慮した制度で、在日韓国・朝鮮人の特権ではないと書いたところ、特権であるか否かが問題なのではなく、(1)氏名の漢字表記が出来る在日韓国・朝鮮人には不必要である一方、(2)在日韓国・朝鮮人が通名を頻繁に変更する事で犯罪利用するケースがあると言う指摘が多数あった。この二つを検討してみたい。

1. 急になくすと混乱が大きい

(1)はもっともだ。しかし歴史的経緯から通名を使い続け、もはや通名でないと自分が自分でない気がする在日韓国・朝鮮人も少なく無い*2事には留意する必要があるであろう。これも帰化して氏名を変更すればいいだけの話だが、いきなり通名を無くせば混乱は大きい。帰化の手続きは半年から1年程度かかるようだ。

2. 犯罪の温床になるとも断定できない

(2)は明確ではない。通名を変えても、犯罪経歴などは消えない。そして現行制度では銀行口座を開くときには、通名と同時に実名も確認される。一部の論者が主張するほど、犯罪の温床になる制度ではない。しかし、ケータイの不法奪取事件が今月も報道されていた。

頻繁に通名を変更することでケータイ会社のブラックリストにひっかからないようにし、分割払いでスマホを購入するものの料金を支払わずに踏み倒す行為を何回も繰り返していた在日韓国・朝鮮人がいたそうだ(産経ニュース)。やはり通名は無くしてしまうべき制度なのであろうか?

二つの側面から、結論に飛びつくのは早いように思える。一つは、ケータイ会社の確認プロセスに不備があったように思える。銀行口座*3や身分証の番号でブラックリストを確認しておけば、通名の変更は問題にならない。本人確認を、実名と通名が記載される運転免許証や住民票記載事項証明書に限っていないのも問題であろう。そして通名の変更が本当に問題であれば、変更を制限すればいい。

3. 廃止ではなく制度改正も選択肢

制度改正は難しくない。(a)原則として通名の変更を認めない、(b)実名と通名の対応関係を制限する*4などの制度改正を否定するものではない。(b)は穏当に暮らしている在日韓国・朝鮮人に対する政治的圧力になりえるが、(a)は何も問題は無いであろう。そもそも市町村によっては通名の変更を既に制限しており、国が統一的な法規定を定めればいいだけだ。

4. 不安があるならば、予防的に通名の変更禁止を

在日特権と言う単語で扇情したい人々もいるわけだが、ケータイ会社が間抜けだった可能性も含めて制度評価は必要だ。2012年度に改正されたばかりで、問題点を勘違いしている可能性はある。また、市町村の運用も適切ではなかった可能性もあり、昔の話は必ずしも参考にならない。そして制度に欠陥があるとしても、制度廃止を行う必要があるのか、軽微な制度改正で済むのかは見極める必要がある。

*1住民票における「通称」になる。

*2在日・強制連行の神話」にそのような見解があり、匿名で信憑性には疑問符がつくもののネット上でそのような告白を見かけることもある(e.g.「こんにちはこんにちは!!帰化手続き中の在日です!」 )。

*3複数銀行で複数口座を利用した可能性もあるが、日本人も複数銀行で複数口座を作る事ができる事には注意が必要だ。

*4母国語の読みに近いもの、母国語で省略形やニックネームとして認められるものに限るなど。

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