2011年2月21日月曜日

iPadが500ドルで販売できる理由

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Wiredで、AppleのiPadの価格が競合製品よりも安い理由を説明している。

要約すると、OS等の社内開発の比率が高く、ライセンス料が安いためだそうだ。しかし、残念ながら説得力に欠ける。

iPadの部品原価は52%($259.60)だと言われている(ITMedia)。Samsung Galaxy Tabが34%($205.22)だと言われている(iSuppli)。iPadの方が確かに薄利となっている。

しかし、OSが自社開発でも各種ソフトウェア特許のライセンス料は発生するし、ソフトウェア・エンジニアの給与などが必要になり、粗利益が多く必要になる。むしろAndroid OSはライセンス料は無料なので、Android端末の方がライセンス料は安くなりそうなものだ。

ここで2010年のiPadの販売台数が733万台である事を思い出そう。ファブレス・メーカーのAppleは特別効率の良い製造ノウハウを保有しているわけではないが、大口発注で製造委託先の鴻海精密公司(Foxconn)と価格交渉で有利な立場に立てるし、開発費用を広く薄く回収する事ができる。とても教科書的だが、単に販売台数が多く見込めるために、もしくはスティーブ・ジョブスが見込んだために、iPadを廉価な設定に出来たのであろう。

もちろんジョブス流の魔法も働いている。iPhoneやiPadには、バリエーションがほとんど無い。世代による差を除けば、搭載メモリ、通信規格が異なるモデルと、iPhone 3GSの白モデルがあるぐらいであろう。販売台数からすれば、かつてのフォードのように品種が少なく、量産効果が強く働いていると考えられる。

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