2015年12月29日火曜日

「慰安婦問題妥結」は韓国世論の試金石

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従軍慰安婦問題に関して、日韓政府が外交的な合意に至った*1。「最終的かつ不可逆的な解決」と言いつつ、韓国側の要請で合意文書の作成は見送られており*2、自信の無さが浮き彫りになっている。韓国メディアは好意的に報道しているが、野党や挺対協ら市民グループは反発をしており*3、韓国世論がどう動くかが気になるところだ。1993年の河野談話は挺対協らの反発により、韓国では受け入れられなかった。今回の合意は、20年経過して挺対協の影響力が落ちていないか確認する試金石になる。

挺対協らは国家賠償を求めており、日本は日韓請求権協定を理由にそれには応じない姿勢を変えていない。焦点では韓国政府が折れた格好になっている。韓国側が主張する歴史認識への同意も約束していない。日本政府が韓国政府の財団へ拠出する資金を、韓国世論が成果と見なす可能性は低いように思える。韓国国民が外交的な行き詰まりで、挺対協の主張は実現しないと諦めを感じているか否かがポイントであろう。もし韓国世論が否定的な反応をすれば、「最終的かつ不可逆的な解決」にはならないと思われる。次の韓国大統領が話を蒸し返す可能性があるからだ。

ところで、日韓請求権協定に定められた調停委員会で賠償請求が可能なことを確認しろと言う2011年の韓国の憲法裁判所の命令、この合意で満たされた事になるのであろうか。韓国政府にとってみると、これが最大の問題であったように思えるのだが。

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