2025年7月16日水曜日

参政党とは何なのか? — 政府や規範への反発を代弁することで集票を狙う集団

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参院選では少数政党の参政党が、その人気が急上昇したため、メディアに注目されている。参政党は、これまで公約や神谷宗幣そうへい代表の反在日外国人(日本人ファースト)、反ワクチン*1、反農薬・反化学肥料*2、反男女機会平等、親ロシア*3、反小麦*4といった言説で目立ってきた。

興味深いことに、個々の政策についてそれほど執着する気は無いようだ。2025年7月6日のTBSのインタビューで、「これは選挙のキャッチコピーですから、選挙の間だけ」と明言している。また、神谷代表のこれまでの発言も修正されてきているようだ。

2025年7月12日土曜日

デジタル庁の日本語能力 — その文章はモダン化の定義をしているのではなく、推奨技術とその利点の説明をしているよね?

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2025年6月27日にデジタル庁の「ガバメントクラウドにおけるモダン化の定義」が修正され、自治体システムのガバクラ移行の必須要件ではないと明記された。この文書、技術的に頓珍漢に思える部分が多数あるので何度か検証してきたが*1、国語的にも奇妙だ。

2025年7月11日金曜日

デジタル庁の日本語能力 — 使いまわすスローガンは慎重につくろう

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デジタル庁では、デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を目指します。」と言うスローガンが理解できない。サービスを選ぶのは誰であろうか。ここで言うサービスは、公共サービスのことで、情報サービスのことではないと理解してよいのであろうか。

2025年7月3日木曜日

ジェンダー法学者の島岡まな氏の話を聞く前に知っておくべきこと

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ジェンダー法学者の島岡まな氏へのインタビュー*1が公開され、そのはちゃめちゃな主張が多くの人の困惑を招いている。今回は具体的な論評を置いておいて、インタビューを読む前に知っておくべきことを列挙しておきたい。

「疑わしきは罰せず(in dubio pro reo)」は元がラテン語だけに日本だけの話ではなく、フランスでも同様。また、それは被害者に厳しくあたるためではなく、検察官の横暴を抑制するための原則。性犯罪は密室での行為になるため、現実としては推測に頼る部分もあり、有罪判決後に冤罪や狂言が発覚した場合もある*2

2025年6月30日月曜日

統計学教育の苦しいところ — 統計学ユーザーの皆さん、クロス表の独立性検定の統計量がなぜχ二乗分布に従うと看做せるか説明できますか?

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「クロス集計表を作るのは簡単だけれど、カイ二乗検定の説明になると難易度が数段上がってしまう」と言うツイートを見かけた。まさにその通りで、クロス表の独立性検定はよく見かける一方で、その説明は難しい。

クロス表は二種類の因子の組み合わせごとの度数をまとめた表のことで、独立性検定とは二種類の因子に相関が無いと言えるかを調べる方法だ。共変量を統制できないので効果的に利用できる場面は限られるが、入門レベルの教科書や学部の講義ではよく紹介されている。

2025年6月26日木曜日

NENENENE@研究さんのSowell (2004)の紹介がハルシネーションになってしまっている件

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アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏が、「欧米先進国で「女子枠」「黒人枠」「地方出身者枠」のような選抜方式になっていないのはアファーマティブアクション(AA)は支援対象の中で最も恵まれた層が得をするという事実があるからです(Sowell,2004)」とツイートし、統計学と経済学の博士号を持つ大学教員のマクリン氏に、Sowell (2004)は事実を示したと言える論証を行っていないと批判されている(togetter)。

2025年6月25日水曜日

NENENENE@研究さんが女子枠批判で参照した論文2報が女子枠を正当化している気がする件

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アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究さんが、再生医療を専門とするイリノイ大学の研究者、山田かおり氏の主張を批判する文脈で出した論文の要約が、よく読むと女子枠を女子枠を(牽強付会すれば)正当化しているので指摘したい。

2025年6月22日日曜日

デジタル庁クラウドチームのサービスレベルの計測の話の日本語が(´・ω・`)ショボーン

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まず、用語の整理からはじめたい。業務システムの価値は、利便性とコストの削減になる。業務システムの信頼性、可用性、応答性などの状態を、サービスレベルと呼ぶ。サービスレベルを定量化して評価項目としたのが、サービスレベル指標(SLI)。SLIの目標値を、サービスレベル目標(SLO)と呼ぶ。

2025年6月21日土曜日

デジタル庁クラウドチームの「非同期処理」の説明が混乱している件

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デジタル庁が詳細設計をするわけではないのでプログラマ的には問題ではないが、その説明が拙いために役所の情シスの皆さんを困惑させている気がするので指摘したい。デジタル庁クラウドチームの「非同期処理」の説明は混乱している。

デジタル庁クラウドチームはモダン化されたシステムの要件として、非同期処理を勧めて来る。

2025年6月19日木曜日

デジタル庁クラウドチームが説明しようとしないIaCを導入する本当の意義

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デジタル庁クラウドチームはモダンなシステム構築の手法としてIaCの利用を勧めている。しかし、これまた説明に具体性がなくよくないので役に立つのか疑問に思われている。

IaCは宣言型プログラミング言語でインフラストラクチャーのリソース配置を記す技術(e.g. terraform)の総称で、クラウド事業者のサービスやコンテナオーケストレーションツール(i.e. Kubernetes)にそのコードを書いたテキストファイルを読み込ませることで、クラウドの設定を行うことができる。