2023年1月2日月曜日

表現規制派フェミニストへの憎悪を煽っても

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昨年5月に、ツイフェミのフリをしたアカウントを用いた偽旗作戦で、フェミニストへの憎悪を煽っていることが判明した表現規制派フェミニストを非難してきたネット論客の青識亜論氏*1が、藁人形論法でフェミニストへの憎悪を煽っている。

炎上事件を引き起こしまくっ*2た、「無辜の商業者に嫌がらせや業務妨害を繰り返してた」と非難しているのだが、私が知る限り

  1. 多くの事件で多くの人々から強く非難を浴びていたのは、表現物ではなく、表現物を非難していたフェミニストである
  2. 個々の独立した非難が多く寄せられた事例はあるが、フェミニストの集団が組織的に表現物を非難した事例はないので、炎上させた/炎上事件を引き起こしたとは言えない*3
  3. フェミニストが表現物に関して苦情を企業や役所に述べた事例はあるが、業務妨害と見做せる不法行為は確認されていない(し、フェミニストの非難がきっかけに、コンテンツの知名度が急激にあがった事例がある)

し、青識亜論氏も根拠に言及していないので、根拠不明な藁人形論法になっていると言わざるを得ない。誰か特定の人々をさしてこのような非難をすれば、名誉毀損になりうる。

我々は虐げられてきた、不利益を被ってきたと、被害を訴えることが憎悪を煽る常套手段。意図的に憎悪を煽っているのか、話を大袈裟に表現し続けることによって、現実に何があったのか分からなくなってしまっているのかは分からないが*4、対話を求めているのは口先だけと言うことになっている。

表現規制派フェミニストの主張に批判を加えることは何の問題もないのだが、無根拠に憎悪を煽るのは対話とは言えない。

追記(2023/03/26 12:06):フェミニストの仁藤夢乃氏が温泉むすめに関して「圧力で事業を潰して、勝利の凱歌を叫ぶという「運動」」をしたかのような主張をしているが、私が知る限り仁藤氏はtwitterで温泉むすめを非難して、宿泊したホテルのフロントに苦情を残しただけである。また、フェミニストが「萌え絵に関する様々な事業を殴りまくって飛び道具ぶつけてきた」と主張しているのだが、よく知られている範囲で、萌え絵に関しては、Twitterで非難する、広告主や掲載誌に問いあわせフォームや書面で苦情を言う以外に、具体的な行動はほとんど無い。秋葉原の「もっと!孕ませ!炎のおっぱい超エロアプリ学園!」の巨大看板が、千代田区の生活環境条例の第14条違反の恐れで撤去されたぐらいだ。風営法違反を指摘された中野のアダルトDVD店の件や、条例違反を指摘された新橋の広告の件は、萌え絵では無い。

追記(2023/06/02 23:46):青識亜論氏だけではないが、フェミ議連の「性犯罪誘発の懸念」、社会活動家の仁藤夢乃氏の「性犯罪と本当に地続き」と言う言い回しに一年以上、非難を続けている人々がいるので、別のエントリーを書いた。なお、関連して主張にエビデンスが無いという批判が多数からされているが、心理学者がセクシー化された女性表現が少女を非行に走らせる懸念が表明されており(関連記事:エロ可愛い格好は女性に有害)、突拍子の無い話でもない。

追記(2023/11/05 21:49):フェミニストが表現物を修正させたり撤回させて回っているような主張が散見され、それによってフェミニストへの憎悪が掻き立てられているようだが、フェミニストの非難がきっかけに何らかの対応がされた事例がある一方、非難が無視された事例も多い。つまり、フェミニスト自体には決定力はない。ずっと非難され続けているフェミ議連は30名ほどいるが、国会と地方議会を足した議員定数は3万4000人弱であり、極めて少数。フェミ議連だけであれば行政も無視できる。つまり、表現物を公表している側が、客層などがどう反応するかなどを考えた上で決断している。

追記(2024/03/12 09:41):青識亜論氏が「嫌悪する自由、嫌悪を表現する自由」と言うエントリーで、「扇動して」「「嫌悪」の感情を殊更に煽り立て」と意図的に表現物を炎上させたフェミニストがいるかのように指摘しているが、そのような事例は確認されていないはずだ。また「表現は差別・搾取だ、などと主張」した「似非フェミニストの運動家」もいないと思われる。やってもいない悪事を非難するのは、憎悪を煽る行為なのでやめるべき。やったと言うのであれば、出典を明記すべきだ。

追記(2024/04/20 03:42):青識亜論氏が2024年4月17日のnote記事でまた以下のようにフェミ議連の抗議文をとりあげているが、

通常の感覚でみれば、ある表現が性犯罪を誘発する懸念があるという批判は、かなり激烈かつ攻撃的というほかなく、表現者を攻撃したものととらえられても仕方がないように考えられる。

松戸市議会は人権侵害にはあたらないと判断した(関連記事:VTuber(の中の人)への人権侵害に関する松戸市議会への請願とネット論客の一貫性)。これは、青識亜論氏も把握していることで、人権侵害としたのは戦略ミスだったと言及している。

つまり、青識亜論氏は通常の感覚では大した問題ではないのを承知で、それが大きな不徳であるかのように言及している。

同エントリーではまた、公的機関が扱うなという主張は「公的機関が採用できないほど、この表現物は公共的によくない要素(差別、性搾取、性的露骨さ……)を含んでいるものだ」から「ある表現物を公共空間から倫理的強制力をもって排除する効果を生む」と主張しており、フェミ議連からのような非難の脅威を謳っているが、公的機関(警察)から排除されたVTuber戸定梨香が、その後、チャンネル登録者数が激増し、松戸競輪とのコラボがされているのが反例になる。ゾーニングされたコンテンツが死滅するわけではない。

*1関連記事:露呈したネット論客の偽旗作戦

*2このツイートだけだとアホな事を言ったフェミニストが炎上した事件とも解釈できるが、それまでのツイートを見ると「炎上させられた企業や団体の中の人は…普通にフェミニストに怒ってる」と、企業や団体が炎上した話になっている。

*3ネットスラングで大量の非難が集中することを「炎上する」と表現しているので、「炎上させる」と言った場合、大量の非難を集中させることを意味することになる。

あるフェミニストの非難が呼び水になって、他のフェミニストが同様の非難を加えるケースもあったと思うが、これは炎上させたとは言えない。青識亜論氏がツイフェミを非難したことが呼び水になり、他の多くのオタク、表現の自由戦士がツイフェミを非難することは過去に何度もあったと思うが、青識亜論氏がツイフェミを炎上させたとは言えないのと同様だ。

青識亜論氏は「表現物を批判するのは良い。けれど…表現物の関係者に圧力をかけて、「炎上」させ、表現物の取り下げを図る。」と、批判は炎上させる行為に入らないように言及している。

追記(2023/01/08 18:46):「非難することによって、結果的に炎上に加担する」ことを「炎上させる」と呼んでいると言う指摘があったが、フェミニストが表現物を「炎上させた」と主張している人々の用法と合致しない。炎上という状態を恣意的に作り出したのでなければ、炎上と言う結果の道徳的責任を負わせられないが、フェミニストなどが表現物を「炎上させた」と言うときは、理屈抜きにフェミニストの行為を不徳なものとしている。

*4人権侵害のように非難してきたのに、他の人が人権侵害だとフェミ議連を非難するのは戦略ミスと言い出しているので、意図的に憎悪を煽っている可能性がある。(VTuber(の中の人)への人権侵害に関する松戸市議会への請願とネット論客の一貫性)。

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