昨年末からネット界隈で家出少女の支援を行なっている一般社団法人Colaboへの非難が続いている。暇空茜氏がColaboの代表者である仁藤夢乃氏の萌え絵非難への報復として*1、Colaboが東京都から事業委託されていることに着目してColaboへの監査請求を要求したところ、Colaboの経理処理に不備が見つかったためだ。
江戸の敵を長崎で討つような話になっているのはさておき、Colaboは公金が入った支援事業を委託されている立場なので、経理の不備に関して非難を受けるのはやむをえないし、世の中、残念なことに不正会計事件は多く、Colaboの件でも色々と悪い想像をする人々が出てくるのも止めようが無い。しかし、監査請求の結果の一部分を切り取った非難が目立つ。
Colaboへ委託した都の事業に関する住民監査請求監査結果を読むと、暇空茜氏が指摘した不正の可能性のほとんどは否定されている。監査結果を読んだ公認会計士・税理士は「具体的な指摘事項である通信運搬費や人件費などの形式的な会計ミスを除き、Colabo側の主張を概ね裏付ける」としている。
ただし、監査結果では委託事業の経費が適正に把握できていないことが指摘され、2月末までに再調査を行なう事が勧告されている。具体的には、委託事業と自主事業の区分けが曖昧で、とくに税理士及び社労士への報酬を含む人件費の按分に合理的な説明が無く、委託事業の経費であるか疑いのある食事代、宿泊代が計上されていることが指摘されている。雑な会計であったと言う非難は免れない。アウトリーチ事業の活動実績の記録が不十分と言う指摘もある。
不自然な処理もある。監査結果では「給与については総支給額を計上せず、所得税等の税額を控除した後の金額を計上」と上方修正になることが指摘されているが、所得税などの源泉徴収が適切に納付されているのか心配になる。雇用主のキャッシュフローの変化をもたらす源泉徴収の納付を雇用主が忘れるのが意外だし、委託契約の性質から経費は多い方が望ましいから過小申告する動機もない。杞憂だとは思うが、東京都の担当者は事情を確認すべきだ*2。
現状、都の委託事業に関してColaboに分かっていることはこれぐらいで、完全に無問題とは言えないのだが、非難すべきことはそう多くない。既に弁護団もいるし、言い過ぎると名誉毀損で訴えられる可能性が高い事案なので、Colaboを非難したくて仕方が無い人も、2月末までの都の再調査の結果を待って方針を定める方が賢明だ。
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