2020年5月5日火曜日

「新しい生活様式」は杓子定規に実践しなくてよいらしいものの

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で、専門家会議が「新しい生活様式」を提案してきた*1。専門家会議の資料に既にアイコンが用意されているので、以前から準備してきた提案のようだ。

延々と“自粛”を続けろと言っていると解釈した人が少なく無いようだが、SARS-CoV-2の流行状態で“自粛”をやめた後のガイドラインを目指している(ように読める)。しかし、十分な情報が提示されているかと言うと、そうでもない。

内容は手洗いや換気など心がけ、発熱時は業務従事を停止し、混雑や密接した状態での会話や食事を避けることが奨励されているだけで、専門化会議が推奨する感染予防策と表現したら、そう違和感があるものではない。しかし、示されている具体的な推奨行為が、どういう理屈やどの事例の分析からそれが出てきているのかが明瞭ではないし、項目が横並びでどれがどれぐらいのリスクかが分からない。

食事の項目を見ると、

  • 持ち帰りや出前、デリバリーも
  • 屋外空間で気持ちよく
  • 大皿を避けて、料理は個々に
  • 対面ではなく横並びで座ろう
  • 料理に集中、おしゃべりは控えめに
  • お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けて

とある。唾液に多くウイルスが含まれていること、食事中は唾が飛びやすいことから、飲食を伴う場で感染が広がりやすいこと、実際、「接待を伴う夜間の飲食店や居酒屋において、多くのクラスター(集団感染)が発生したこと」や、その他の事例のフィットネスジムやライブハウス、通夜・葬儀でも飲食を伴う場である事から、上述の推奨項目が出てきたことが想像できるのだが、もっとはっきり詳しく説明して欲しい。

推奨行為を忠実に実践することは求めてはいないが、杓子定規に規範的に捉える人も少なくないし、感染事例の詳細が広く知られているわけではないので、杓子定規に捉えざるを得ない面もある*2。「対面ではなく横並びで座ろう」が実践できない場合、中国風に唾を飛ばないようにアクリル板などでシールドをつくることも出来るが、それでも良い事が分かるような説明もあるべきだ。

社会にはさまざまな業種等が存在し、感染リスクはそれぞれ異なることから、業界団体等が主体となり、また、同業種だけでなく他業種の好事例等の共有なども含め、業種ごとに感染拡大を予防するガイドライン等を作成し、業界をあげてこれを普及し、現場において、試行錯誤をしながら、また創意工夫をしながら実践していただくことを強く求めたい。

と言うのは悪くはないが、感染経路や感染事例をもっと詳細に説明してくれないと、有効な対策を柔軟に考えるのは難しい。

*1新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(5月4日)」(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議)

*2事業所で集団感染があったと言う報道はあるわけだが、事業所の人たちのどういう行為がそれにつながったかは詳細な説明は実は少ない。集団感染があった空間の大きさや密集度、飲食の有無な様子などの情報が必要になるが、割愛されている。

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