2019年4月25日木曜日

トルコ経済を見るとMMTの現実説明力が低いことが分かる

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話題の非主流派経済学MMTの信者たちは、彼らの言う主流派マクロ経済学が権威を笠に着てモデルを振り回すだけで、現実経済を説明していないと主張しているのだが、藁人形論法が過ぎて呆れてくる。実証研究は山のようにあるからだ。

素朴なものから難解なものまで、誘導形でも構造形でも計量的な検証は山のように行われている。論文を読まずとも、教科書でモデルの説明の後には実例を紹介していることも多い。そもそも経験則を説明するためにモデルがあるわけで、既存の研究でも大雑把な経験則ぐらいは言える。もちろん上手く説明できない状況もあり、説明力がイマイチのモデルも多くある*1が、こういうのも実証研究をしているから分かってくることだ。

2019年4月24日水曜日

ある社会学者の産婦人科医への罵倒に関して

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社会学者の橋迫瑞穂氏(@_keroko)が、妊娠初期では母親の仕事や運動などが原因で流産することはほとんどなく、妊娠10週未満の流産を防ぐ有効な対策はないので、出血などで病院にいってもその後の経過は変わらないと説明している産婦人科医氏(@syutoken_sanka)を、データの問題と個別の事例は別であり非論理的だと罵っていた*1。医学的にも統計解析の意味でも橋迫氏の方が…な主張に思える。

2019年4月23日火曜日

高校教育で線形代数が復活するかも知れない

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統合イノベーション戦略推進会議の有識者提案を受けて、日経クロステックの浅川直輝氏が日本の数理教育や産学連携の失敗を綴っている*1。高校の学習指導要領から線形代数が消えたことがよく非難されているが、記事にあるように「行列やベクトルの概念を知らない大学初年度の学生に…の原理をどう教えるか」言う問題が生じうる*2ことになっている。

人工知能好き、SF好きは読むしかない「心の進化を解明する」

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時折名前を見かける哲学者デネットさんの集大成と言われる「心の進化を解明する」が話題だったので、半年前に読み始めて何回かの積読ツンドクの末にようやく読了したので紹介したい。大学院で使うような辞書的な教科書に比べれば薄いのではあるがやはり分厚い上に、読み飛ばしたらあかんのだろうなと思っていたら読み進まなかった*1。とは言え、哲学書と言っても常人が読める文章が書いてあるし、訳者も平易な日本語にしてくれているしサポート・ページもあるので、時間さえあれば誰でも読める。

2019年4月14日日曜日

編集部が作者が意図しないジェンダー・ステレオタイプな表現をチェックすることはアリ

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漫画家の楠本まき氏が、少女マンガの多くが作者が意識せずジェンダー・ステレオタイプに影響されており、そういう作品を読んだ読者のジェンダー・ステレオタイプを強化しているので、編集部がガイドラインをつくって作品をチェックすることで、作中人物を意図せず何となく描いたジェンダー・ステレオタイプに囚われた表現を抑制しようと主張している*1のだが、ネット界隈の表現自由派から批判を受けている。

System 1と2が出てくる心理学の二重過程理論とどう付き合うべきか

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ノーベル賞を受賞したカーネマンなど著名心理学者も持ち出してくるので、心理学者ならずとも反射的な判断をSystem 1、熟慮する判断をSystem 2で行っているとするような二重過程理論を耳にしたことはあるであろう。ヘアの二層理論など思想から来る議論と類似性があり、説明のための概念としては優れている面もあって、ついつい確たる議論として採用したくなる。しかし、この二重過程理論、微妙に強固とは言えない面があるので言及するときは注意が要る。

2019年4月12日金曜日

傍観者に徹すれば、トロッコ問題で道徳的非難を回避することができると言えるか?

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高校の授業でフットさんのトロッコ問題を取り上げたところ、積極的にポインターを切り替えて少数を犠牲にして多くの人間を助けるよりも、傍観者に徹することで多くの人間を死ぬのを見届ける方が、社会的責任を問われずに済むのでそれを選択すると生徒が主張しだしたと、出題した教師が関心していた。いやいやいや…生徒の論点がおかしいとは思わないが、それに説得されてしまったら教育にならない。やはり中高で道徳の時間、ちょっと無理がある。

2019年4月6日土曜日

性的暴行事件の判決について怒り出す前に知っておくべき5つのこと

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未成年者への性的暴行事件について無罪判決が出されたことでネット界隈で怒りの声が上がっているのだが、報道をもとに同情心だけで議論しており、視点が一方的かつ統計を参照していないので妙なことになっている。法曹の皆さんがそれとなくたしなめているのだが、なかなか納得はいかないようだ。気軽な気持ちでSNSをやっているためだと思うが、真面目な主張をしたいのであれば、以下のことぐらいは認識しておいて欲しい。

『社会にとって趣味とは何か』の北田暁大氏の計量分析の問題点(第8章)

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社会にとって趣味とは何か』の第8章「動物たちの楽園と妄想の共同体」を巡って、著者の北田暁大氏が社会心理学者の山岡重行氏の批判に反論すると宣言していた。前のエントリーの続きで第8章も眺めてみたのだが、うん、まぁ、他人のことは言えないのだが、粗はいろいろとある。古い議論だけではなく、新しい議論を実証的に検証しようと言うのは評価したいのだが、あら捜しがミッションなので気づいたところを指摘したい。改良の余地は色々とある。

2019年4月4日木曜日

『社会にとって趣味とは何か』の北田暁大氏の計量分析の問題点(第2章)

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社会心理学者の山岡重行氏が既に批判していて*1付け加えることはないかなとスルーしていたのだが、社会学者・北田暁大氏らの『社会にとって趣味とは何か — 文化社会学の方法規準』の計量分析についてコメントしろと京都女子大学の江口某氏に振られたで、ちょっと眺めてみた。第2章「社会にとって「テイスト」とは何か」しかチェックできていないが、どうも北田氏が検証したい仮説をサポートする計量分析ができていない。内生性や不均一性など重箱の隅的な部分をつつけと言う御題だったと思うが、それをする段階に至っていない。

2019年4月2日火曜日

稲葉振一郎さん、日本の財政赤字は将来の利益を生まない社会保障関連費によるもので、ほっとけばこれから増大する見込みですよ

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マルクス経済学には詳しいようだし、マクロ経済学にもある程度の情報収集*1を行っている社会学者の稲葉振一郎氏が『日本の可能性を奪う「予算脳」の正体~限られた財源のもと節約ばかり…』と言うエッセイを書いていて、拝読したのでコメントしておきたい。