2017年7月9日日曜日

りふれ派は肥満が増えていることに気づかない

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マルクス経済学者の松尾匡氏の2012年のウェブページの記事を真に受けているりふれ派のツイート*1のリツイートが伸びていた。注目されている主張は、1995年以降、エネルギー摂取量が減っているのは経済的事情が理由だと言うものだが、ちょっと論が粗い。生活スタイルの変化、高齢化の影響、さらに調査データにかかるバイアスを見落としている。

機械化による省力化と肉体労働の減少によって、生活スタイルは変化しておきており、人々が必要なエネルギー量は減少している。高齢者は基礎代謝が少ないためか、そんなにエネルギー摂取をしない。松尾氏は20~29歳だけの数字も参照しているが、少子高齢化により20~29歳に限っても、だんだんと25~29歳の比率が増えて高齢化していることに注意しよう。

何を見れば、エネルギー摂取量の増減や過不足を判断できるであろうか。“最終結果”を見るのが手っ取り早い。「国民健康栄養調査」の「表63 肥満及び低体重(やせ)の者の割合の年次推移」を見ると、長期的に日本人の肥満は増加している。つまり、摂取カロリー量が減ったのは年齢、もしくは運動不足の影響が大きい。第54表を見て、相対的に高コストになる動物たんぱく質の接種比率は横ばいと言う感じで、食事内容が貧しくなったとも言い難い。これで、松尾氏の憶測は何かおかしい事が分かる。

絶対的な栄養接種についても、松尾氏の話は何かおかしい事になっている。『厚生労働省が定めた2010年版の「日本人の食事摂取基準」では、18歳から29歳までの身体活動レベルII(中位)では、男性2650kcal、女性1950kcalが「推定エネルギー必要量」とされています。比べてみると』と比べてしまっているのだが、これは比べてはいけない数字だ。「食事調査はエネルギー摂取量を過小評価する調査法や対象者によって、その程度は異なるものの、一般に平均5~30%程度である」からだ。

*1連投ツイートであるが、以下がもっとも伸びている。

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