2014年1月16日木曜日

マンションは単なるコンクリート構造物ではなく集合住宅

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マンションの耐震制が十分では無いと言う議論がある。昭和56年の新建築基準法で最低限の耐震基準が定められており、さらに平成12年から住宅性能表示制度で最低限以上の耐震等級が定められた。しかし、この規制は二つの方向で問題があるようだ。

一つは高い耐震等級を持つ新築マンションは1割にも満たず、震度6以上の大地震*1でコンクリート構造物として継続利用ができなくなる可能性のある物件が大多数となっていることだ。一つはコンクリート構造物として地震に耐えても、集合住宅としてマンションの継続利用が不可能となるケースがあることだ。

後者は東日本大震災で問題が広く知られるようになった。同災害では昭和56年基準のマンションで、コンクリート構造物として大破したものは皆無で、中破したものも0.09%(34棟)に過ぎない。しかし、コンクリート構造物としてとして倒壊0棟にも関わらず、集合住宅として全壊100棟と言う深刻な事態が引き起こされた*2

小破で全壊になった理由は、小破の場合では「構造体を補強する必要はないが、非構造体の補修は必要とする」のだが、非構造体に壁、ドア、渡り廊下、給水施設(高架水槽)、エレベーターなど生活に影響する部分が多数含まれるからだ*3。地震保険の対象にもならず、住民は多額の修復費用を負担することもあるらしい*4

千葉で液状化が問題になっていたが、コンクリート構造物の塑性・弾性だけで評価するのは問題で、集合住宅として継続利用が可能かを検討していく必要があるようだ。もちろん非構造体が潰れることで構造体が無事だという事もあるだろうし、耐性よりも保険や予備費で備えるほうが合理的な場合もあるので、単に丈夫な建築物を作れば良いというものでもないであろう。

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