2013年7月28日日曜日

英語が嫌いなあなたに勧めたい「英語の歴史―過去から未来への物語」

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英語が嫌いな人が読んだら、もっと嫌いになれそうな本が「英語の歴史―過去から未来への物語」だ。好き嫌いを正当化するために、ぜひ読むべきだと思う。

言語は時代で変化していくし、変化して行かないと役に立たないが、同意語の多さや、表記と表音のずれなど、英語は特に混沌としている。本書を読むと、この混乱した体系が歴史的に作られて来たことが良く分かる。第1章「国際語としての英語」、第6章「現代の英語」、終章「英語の未来」はこんなものかと思うのだが、第2章から第5章が英語の発展史となっており、歴史の不幸が良く分かる。

そもそもの古英語は、語形変化が多く、語順が自由で、代名詞が省略可能であったが、フランス語、ラテン・ギリシア語などの流入にともない、文法構造が根こそぎ変わったらしい。語形変化が単純化され、語順が固定される中で、元来は動詞であったdo、can、mayなどが助動詞になっていったそうだ。また、ラテン語(e.g.debt、doubt)の発音がフランス語経由、綴りが原文から来たため、表音言語として中途半端な感じになったようだ。pseudoのpにいつも殺意を覚えるのは歴史のせいか。

こんな英語だが、被征服民族として多種多様な文化流入を受けてきた英国の歴史が強く作用している。ゲルマン語派として成立していたのに、フランスのノルマンディー公に征服されたので公用語がフランス語になりイタリック語派の影響を強く受け、失地王ジョンの後に公用語としての地位を回復し、独自性が増したらしい。英国は領地を失い、言葉を手に入れた。そして世界中に広まったため、英語と米語の違いはもちろんの事、現在もなお派生が生まれつつある。

後半で科学技術用語なども紹介されているのだが、前半8ページのコラムにある管制英語なども英語の世界化による部分が多いのであろう。英語を母国語としてない人々にも誤解を与えないように、発音や用法が特異に発展している。threeはトゥリー、thousandはタウザンドと発音するのは、th-の発音がノンネイティブには難しいからだそうだ。9をniner(ナイナー)と言うのも、ドイツ語のnein(英語で言うNo)と混乱しないためだそうだ。言い回しも固定化されており、誤解を避けるようになっている。

あなたが英語が嫌いなのは、きっと勉強やテストが嫌なのではなくて、英語そのものが美しくないからだ。あなたが外国語が苦手なのは、被征服民族の言語が、逆に世界を覆いつくした結果だからだ。実用面から考えて英語以外の選択肢は無いわけだが、本書の内容は酔っ払ったときに溜飲を下げるためには役立つ知識になるかも知れない。英語、わからんわ(ノД`)

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