2016年4月24日日曜日

過激なタックス・ヘイブン対策を勧める「失われた国家の富」

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タックスヘイブンの会社の設立などを手がける中米パナマの法律事務所から流出した内部文書、通称、パナマ文章が話題になっていた*1が、租税回避地に関しては昔から問題になって来た。以前、これに関した本「タックスヘイブンの闇」を紹介した*2が、去年、「失われた国家の富」と言う新しい本が出ていたので拝読してみた。対外債務と対外資産の差からタックスヘイブンに隠された資産が大量にあり、その分、政府は税収を失っていると考えられるので、日米欧は金融や貿易などで圧力をかけて守秘法域で無くそうと言う話が書いてあった。EU域内で制裁ができないルクセンブルクには、EUから追い出して制裁しろと書いてある。

2016年4月23日土曜日

細菌が氷を作る方法が解明される

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シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)は凝固点を上げる能力があり、霜害の原因となる細菌としてだけではなく、雲の凝結核になっている事が知られている*1。そのたんぱく質inaZは人工降雪器にも応用されているが、その氷を作る詳しいメカニズムはわかっていなかった。しかし、和周波発生分光法(SFG)を用いてバクテリアP.syringaeが氷の結晶を作る仕組みが分かったそうだ(POPSCI)。

2016年4月12日火曜日

炎上や村八分は規範的な行為と言えるか?

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2002年の日経サイエンスの記事「フェアプレーの経済学」について呟いている人がいた。この記事の話から「フリーライダーや道徳的な逸脱行為に対して、その行為の利害関係からは関係ないプレイヤーが率先して罰する行為」として『「炎上」や「村八分」を肯定的に解釈する必要がある』としている。何か変な気がして、無償公開されている原文*1の方を読んでみたのだが、おかしい事になっている。利他的な制裁行動が囚人のジレンマを解消すると言う話だが、炎上も同様だと言えるであろうか。炎上に参加している人々が規範的に正しい判断ができるかと言うと、そう善悪が明確に分からない炎上案件は多い。もし善悪が明確に分かるケースであっても、不道徳を防止する機構は他にもある。ネット上の中傷行為としての炎上が、規範の維持に必要なことは少ないであろう。

2016年4月6日水曜日

人はなぜ協調するのか ─ くり返しゲーム理論入門 ─

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著名ゲーム理論家の神取道宏・東京大学大学教授の昨年出た薄い本、『人はなぜ協調するのか ─ くり返しゲーム理論入門 ─』がネット界隈で評判だったので拝読してみた。装本からしてそう書店には流通していないと思うが、ワンショットのナッシュ均衡ぐらいを知っていれば読めるので、長期の人間関係を描写する繰り返しゲームにちょっと興味がある人にはお勧めだ。81ページと簡潔な割りに平易なので、本書の「はじめに」に書かれた狙い通り、経済理論を専門としない人に良い冊子になっていると思う。経済学徒でもバリバリとゲーム理論を研究していない人であれば、前半の考え方の部分も含めて勉強になると思う。

2016年4月5日火曜日

保育園落ちた日本死ね!!!騒動で見落とされている事

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はてな匿名ダイアリーに「保育園落ちた日本死ね!!!」と言う秀逸なエントリーが出て、国会で取り上げられるまで話題になった。身近な問題なので、あちらこちらで意見が出て来ている。認可保育所が不足しているのだから増やすべきと言う素朴なものが多いようだ。供給不足の原因や、供給を増やす方法を考察しているものもあるが、今より政府負担を多くすべきと言う認識が大勢だ*1。しかし、保育所にどれぐらいの公費が投入されているのか知っている人も、保育所を提供しないといけない理由について整理できている人も少ないようで、危うい主張になっている。

2016年4月2日土曜日

家計最終消費支出と消費水準指数の乖離について

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消費税率引き上げで自殺者が増える*1、税収が減る*2と予言を外して来た某ブログが、「増税派黒田総裁にみていただきたい一枚の図」と言うエントリーを上げてきた。消費増税を繰り返すたびに、消費水準指数のトレンドが下方に屈曲してきたと主張している。単にバブル以降、消費増税前の駆け込み需要を除けば一本調子に下降してきた気がしなくも無いが、ブログ主がこの統計の癖などを考慮していない所を指摘しておこう。後述する理由で、この指標は盲信してはいけない。

2016年3月31日木曜日

「働く女子の運命」と言うか、働く女性の近現代史

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目を惹く秀逸なタイトルで気になっていた、濱口桂一郎氏の「働く女子の運命」を拝読した。ネット界隈の社会学者などが女性の就業や育児出産などの問題を取り上げる事は多いのだが、歴史的経緯を説明してくれないと言うか考慮していない事が多く、門外漢には彼らの問題意識の妥当性が分からない事が多い。本書は、濱口氏の過去の著作と同様に、戦前からの労働政策をまとめており手軽に経緯を追えると言う意味で、経済学などの抽象化された分野をバックグラウンドに持つ人々には重宝する一冊だと思う。現在の政策的課題も第4章で説明されており、それに対する回答も提案されている。メンバーシップ型とジョブ型の雇用形態の違いで整理されている所は、いつもの通りである。さて、つらつらと感想を書いてみたい。

2016年3月24日木曜日

消費税率引き上げ前後の鉱工業指数

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世論調査を見ると、それが何であれアベノミクスを評価しない人は段々と増えてきている*1せいか、安倍総理自身が「消費税を8%に引き上げたら景気が冷え込んだ」と思っているせいか、はたまた財界で景気後退を懸念する声が大きくなってきたせいか*2、官邸は次の景気刺激策として増税延期を画策しているようだ。増税延期の是非はさておき、雇用が良いのに景気が悪いと言うのは不思議である。消費を見ているのだと思うが*3、鉱工業指数あたりも把握しておいた方が良いと思うので、過去3回の消費税率引き上げ前後の鉱工業指数の変化を見てみた。

2016年3月22日火曜日

早生まれによる未成熟さもADHDと診断されてしまう

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注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、他の多くの心の病気と同様に、医者がそう診断したらそうなると言った程度の診断方法も確立していない病気だ。かなりのいい加減さがあるわけだが、それが露呈する研究が紹介されていた(Mail Online)。

2016年3月20日日曜日

非リア充につらい「夫婦格差社会」

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晩婚化や未婚率の上昇が問題とされている昨今だが、婚姻関係の議論やデータを事細かに追いかけている人は少ないであろう。また、大半の人はせいぜい3回ぐらいしか結婚しないであろうし、耳に入る周囲の結婚事例も職場や同窓のものが多いであろうから偏ってくる。だから、イマドキの結婚像を知っている人はほとんどいない。なお悪い事に問題がジェンダーに関わるために、イデオロギー色の強い論者が根拠不明な事を言い勝ちで、全体像を見誤りそうになる。