2015年6月28日日曜日

物理学にそんなに興味が無い人向けの重力の本

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物理法則から逃れられる人間はいないわけだが、物理学をせっせと勉強するほど興味が無い人は多いと思う。物理学は実証に基づき高度に理論化されたハード・サイエンスだし、学習コストが低いわけでは無いからだ。特に一般相対性理論や量子理論になってくると、一見さんお断り感が強い。数学の教科書でロバチェフスキー空間やローレンツ群や分数変換群をちょっと勉強した人はそこそこいると思う*1が、シュヴァルツシルト半径を計算してみた人はごく僅かであろう。

2015年6月27日土曜日

消費税率を引き上げても、自殺率は上がらなかった

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気づくと2015年5月の自殺者数の統計が出ていて、前年比1.8%減の2217人だった。1月から5ヶ月連続で昨年比で減少している*1。自営業者の消費税納付時期になる翌年3月と5月に自殺者数が急増すると強く主張していた人もいたのだが*2、3月も1.5%減であり、その傾向も見られない。2014年全体は6.8%減となっており、消費税率引き上げ後に自殺が増えた形跡はない。自殺増加を強く主張していた人は、今、何を思っているのであろうか?

2015年6月24日水曜日

アニメ好きのための教養本「頭の中は最強の実験室」

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思考実験と呼ばれる哲学的な議論がある。極端な状況を考えることで学説などの論理的な整合性を評価する行為で、有名なものはその名前が広く知られており、色々な文脈で言及され一般化している。アニメや漫画のモチーフになっていることも多い*1

しかし、元々の話がどういうものか、把握できていない事も多いと思う。数学や物理などを学ばないと出てこない話も多いし、その数も少なくないからであろう。語感だけで思考実験を把握したつもりになって、その本来の意義が分からなくなっている無教養な人も多い。

2015年6月17日水曜日

安保法案に関して後釣り宣言をしないためのアンチョコ

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大多数の憲法学者が国会で審議されている安全保障法制は違憲と指摘していることに関して、経済評論家の上念司氏が要点を得ない主張を行い炎上し、さらに後釣り宣言を行って人気だ(togetter)。必要なのに違憲なのが問題ならば、憲法改正を主張すれば良いのだが。どうして違憲になってしまうのか分からないので、憲法学者を闇雲に批判をしてしまったのであろう。SNSで上念氏のようにならないために、アンチョコを用意してみた。

2015年6月11日木曜日

内閣法制局を従わせた安倍内閣が裸の王様になっていた件

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国会で自民党推薦の参考人である長谷部恭男早稲田大大学院教授が、安全保障関連法案を違憲だと指摘したことで、動揺が広がっている。他の憲法学者も概ね違憲であると見ているようで、立法をしても何かの拍子に裁判所が違憲判決を下す公算が高くなった。今までは内閣法制局が慎重に憲法解釈を行ってきたわけだが、第二次安倍政権になって内閣の解釈を押し通す体制にした結果が出つつあるようだ。

福島第一原発の災害・事故で、作業員に判断ミスがあったとして

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マクロ経済学者の斎藤誠氏が「震災復興の政治経済学:津波被災と原発危機の分離と交錯」で、「今般の原発事故は、あらかじめ想定された範囲と程度のもので、事故の拡大を防ぐための手立てもあらかじめ合意をされていた」(P.201)と主張している。兆候ベース(EOP)手順書*1に従って減圧注水を行っていたら、格納容器破損を起こさず交流電源の復旧まで原子炉の状態を保存できたと考えているようだ。しかし、もっと上手い対応があったにしろ、それが合意されていたと言うのは、言いすぎでは無いであろうか。少なくとも操作手順書には明記されていない。むしろ、操作手順書に無いことに踏み切れなかったので、上手くやれなかったように思える。

2015年5月26日火曜日

形式的にあかん歴史学関係16団体の声明

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昨年末にも同様の声明が出されていたので注目度が低いようだが、歴史学の学会16団体から『「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明』が出されていた。しかし、形式的に問題がある行動になっている。どうも、声明文に関して署名などを集めなかった学会執行部の判断らしい。その結果、日本の大多数の歴史学者の見解なのか分からないことになっている。また、学者は複数の学会に所属しているので、参加人数が6,900人と言いつつ同一人物が何度もカウントされており、計算上もおかしい。こういう場合は、代表者名の個人見解として声明を出すのが妥当だと思うのだが、なぜ学会の総意のように見せかけたのであろうか。

社会福祉の維持のための増税の是非も議論して欲しい

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昨年ぐらいから話題の左翼やリベラルを標榜する人が良く読んでいる「経済政策で人は死ぬか?」をようやく拝読してみた。幾つかショートストーリーも挟まれるのだが、似たような悪い経済環境で異なる政策をとった二つの国を自然実験として統計比較する主体としたエビデンス・ベースの議論になっている。緊縮財政として特に公衆衛生や貧困対策などの社会福祉政策に関する歳出削減を強く批判している一方で、増税に関する議論がほとんど無いのが気になった。また、自然実験とされる比較が、必ずしも似た状況の国同士を比較していない気がする*1

2015年5月16日土曜日

大阪都構想の挫折が示すもの

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大阪維新の会、ついては橋下大阪市長の主要政策である大阪都構想の住民投票が明日に迫っているが、新聞各社の世論調査では大きな支持を集めておらず*1、否決される見通しだ。明治末期からの特別市運動なのだが、地方自治の限界を露呈して終焉するようだ。考えてみれば当たり前で、大阪市民、堺市民に予算的に明確な利点が無い制度改正を、大阪市民、堺市民が支持する理由が無い。

権力闘争が良く分かる「韓国現代史」

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隣国とは言え、第二次世界大戦後の韓国現代史に興味がある人は少ないと思う。文化的に憧れる対象でも無いであろうし、先進国であっても、軍事的にも経済的にも大国では無いからだ。曽祖父が生まれた頃は日本の一部だったとは思えないぐらい親近感が無いと思う。私も、かなり以前に読んだ「韓国の族閥・軍閥・財閥」と言う本のイメージで見る程度だった。池氏のこの本、細部に日韓両国に対する否定的な予断を感じる所はあるものの、族閥~軍閥~財閥と上手く韓国政治の権力者の変遷を整理していて印象深い。しかし1997年の本なので、もう少し新しい知識が欲しい*1