2016年12月8日木曜日

公教育支出の男女格差自体が問題なのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

日本の女子達は3200億円程の不平等を受けている』と言うNPO法人/国連児童基金の畠山勝太氏の論説が奇妙に思えるが言語化できないという質問をもらった。拝読してみたのだが、確かに捉えどころが難しい。

畠山氏は男女の進路の傾向の差異によって生じる社会格差を是正すべきと言いたいのだが、女子へのアファーマティブ・アクションを肯定するための方便として公教育支出の男女格差を是正すべき問題のように見せかけているので、内的整合性に問題が出てきて論説全体の主張が分かりづらいものとなっている。自分の問題意識を良く整理できておらず、それとは乖離のある方便を信じ込んでしまっているかも知れない。

2016年12月4日日曜日

韓国政治が世界的にも例を見ない「政治実験」になるとき

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

友人に政策運営を相談し、さらに便宜を図ったことから、野党と与党の一部が弾劾の動きを見せている韓国の朴槿恵大統領だが、その進退を国会に任せる旨の談話を出して混乱を招いており、少なくとも12月2日の弾劾手続き開始の発議は回避する効果を持った。翌日に発議されたが。

韓国政治の専門家の浅羽祐樹氏によると「政局を混乱させることが狙い」で「次の大統領レースに出場する選手たち(多くは国会議員)が、一番大きい変数となるレースの日程を決める」『世界的にも例を見ない「政治実験」』になるそうだ*1。しかし、違和感が残る議論になっている。弾劾もしくは、弾劾を避けるための辞任であれば、異例とも言えない。

2016年12月2日金曜日

ユーラシア大陸の「食の人類史」

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

何事にもルーツが気になるのは人の性で、日本民族の出自もそれなり話題になる。それを辿るのは人類学と言うことになるが、分子生物学の発展によって、ここ数十年で色々とその知見は更新されて来た。民族の血統に関してもそうだし、その民族が栽培・飼育してきた農作物や畜産物についてもそうである。広い範囲のこのような知見をつなぎ合わせて、ユーラシア大陸全体の大きい絵を描写しようと試みた本が出ていた。「食の人類史」だ。

2016年11月26日土曜日

巫俗と朴槿恵大統領辞任要求デモ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

毎日新聞記者の澤田克己氏が朴槿恵大統領辞任要求デモが盛り上がった理由として、大統領の相談役である崔順実氏が、伝統的には最下層の賤民に位置づけられる巫俗(ムーダン)であることを理由の一つに挙げている*1のだが、「まったく専門性のない人間が国政の指南をしていたことが許せん」と言うだけで、巫俗が最下層の賤民である事は関係ない気がしなくも無い。あえて巫俗に問題があるとするならば、まだ李氏朝鮮のときに巫俗が政治に関わった結果の方を、意識している人の方が多いと思う。

2016年11月22日火曜日

「Aを批判するものは、Bも批判すべし」論法の意味すること

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

ネット左派の「疑似科学を批判すべきならば、優生学も批判すべし」と言う議論からの展開だと思うが、「Aを批判する者は、Bも批判すべし」などと言う主張をする人を、「そもそも何を批判したいかわからない」「人格としては信用しない」と主張している人がいる*1。婉曲的な表現ではあるが、大抵のケースではそう不明瞭な主張ではないので指摘したい。大抵のケースでは「Aを批判する者は場当たりな道徳判断をしている」と主張していると捉えることができる。

オバマ大統領とトランプ次期大統領の排外主義の程度の差

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

トランプ次期大統領が犯罪歴のある不法移民を国外退去処分にすると主張している事に対して米国内で反発が高まっている*1。米国でもリベラルの皆様はどうも表面的な言説に弱いらしい。ポリティカル・コレクトネスな発言であれば、実態については注意を払わないようだ。批判されているトランプ氏も、現状の移民政策がどうなっているのか、良く把握できていないようだが。

2016年11月21日月曜日

優生学と言うよりは優生思想だから、疑似科学批判はできない

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

偽科学批判をしている物理学者が優生学を批判しないことに、ネット界隈の左派の人が何故か苛立ちを表明していた*1。これについて議論が多少されているのだが、優生学(Eugenics)は語尾に-icsがついているが自然科学に属する学問ではなく、優性思想と訳す方が適切なシロモノ*2なのが良く把握されていなくて残念な事になっている。優生学は思想なので、それ自体は偽科学批判の文脈では言及できない。科学と思想の区分けができないネット左翼*3の皆様には、上手く理解できないようなのだが*4

2016年11月18日金曜日

朴槿恵を弾劾する事はできるのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

韓国の朴槿恵大統領が崔順実氏に演説草稿を添削してもらっていた事が発覚し、朴氏の退陣要求デモが繰り広げられており、与野党国会議員から弾劾まで取り沙汰されているここ数日だが、安易に政治的な激動を予言しない方が良いように思える。朴氏の失脚は明らかではない。弾劾審判を行なう憲法裁判所は、李明博氏と朴氏が任命した与党に近い裁判官で占められている上に、任期の関係で実質僅か2名の反対者で棄却されるので、弾劾のハードルは相応に高い*1。しかも、現時点で伝えられている情報からは、全員賛成になりそうな大きな過失が無い。

2016年11月17日木曜日

トランプ支持層とナチス支持層はだいぶ違う

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

比較すると非都市部の中高年以上の低学歴・高所得層が熱心に支持しているといわれるトランプ氏であるが、低学歴で高所得にひっかかるので地域と年齢のコントロールをしっかり行なった分析を見るまでは、政治分析は信じないぞと心に決めている。特に、ワイマール共和国時代のナチス・ドイツとの類似性を主張している選挙分析は、ほとんど信じるべきではない。それがあなたが信奉しているエコノミストの話であっても、疑ってかかるべきだ。

2016年11月14日月曜日

ポリコレ棒で叩かれているモノ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

口が悪いトランプ氏が次期大統領に決まった事で、なぜか世の中に仲間が多いと思ったのか*1、ポリティカル・コレクトネスについての反感を公に唱える人の発言が増しているようだ。ポリティカル・コレクトネスではない事を理由に表現規制を求めるリベラルな人々の行為を、ポリコレ棒と揶揄している。ポリコレ擁護者も出現してポリコレ批判者もポリコレ守られているなどと言い出し、賑やかになってきた。しかし、その擁護者も批判者もポリコレ棒で叩いているモノが何かを曖昧にしていて的の絞れない議論になっている。まずはポリティカル・コレクトネスが問題にしているモノを整理したい。