注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、他の多くの心の病気と同様に、医者がそう診断したらそうなると言った程度の診断方法も確立していない病気だ。かなりのいい加減さがあるわけだが、それが露呈する研究が紹介されていた(Mail Online)。
1997年から2011年の台湾の378,881人の子どもを対象にしたMu-Hong博士らの調査で、8月生まれの子どもがADHDと診断される確率が高い事が分かった。8月生まれの男子の4.5%がADHDと診断される一方で、9月生まれは2.8%に過ぎない。女子は、2.9%と1.8%だった。台湾の新学期は9月からなので、要するに早生まれの子どもがADHDになりやすい事が分かる。また、米国やカナダの先行研究では年齢が上がるにつれて、生まれた月によるADHDと診断される可能性は減るそうで、これとも概ね整合的な結果だ。
ADHDと診断されると投薬がされるので、間違いは無駄に子どもの健康を害する事になるし、医療費の増大を招く。製薬会社の宣伝によって近年、ADHDと診断される子どもや大人が増えたと言う懸念も広がっており、無視はできない調査であろう。英国のADHD協会のKuben Naidoo博士は、英国のADHDの診断は各種情報を集めて総合的に行っており、大人になってからADHDで受信する人もいることから、調査結果の解釈に注意する必要があるとしているが、感染症の検査のように、文句をつけづらい診断方法があれば、疑念が生じる事は無かったであろう。
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