2022年10月8日土曜日

辺野古キャンプ・シュワブのゲート前での座り込み抗議から何を読み取るべきか

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

某巨大掲示板で知られるひろゆき氏が、普天間基地の移設先として知られる辺野古キャンプ・シュワブのゲート前での座り込み抗議を揶揄して論争になっている*1

小学生のような素朴な感想も大事と言えば大事なのだが、オトナとして読み取るべき情報を理解していないのが興味深い。工事を強行しても、何日経っても、基地移設計画反対なのは変わらないことを伝える運動であることを抑えて話をしないと、座り込みの意味を理解していない頭が悪い感想だと非難されてしまう。

1. 「座り込み抗議不屈3018日」は誤りではない

普天間基地の辺野古移設計画に反対した座り込み抗議は、2014年7月7日からはじまり、当初1年間ぐらいは1日24時間座り込みをしていて、今は24時間監視(と言うか工事スケジュールのチェック?)で工事時間中の一部のみ座り込みとなっている。

ひろゆき氏の主張は「新基地断念まで座り込み抗議不屈3018日」*2の看板の文言が誤りではないかと言う指摘なのだと思うが、1日24時間連続で3018日とは書いていないし、抗議運動開始から3018日経過しているのは誤りではない。なお、24時間体制での座り込みと言う報道や左派アカウントのツイートがあったと言う指摘もあるが、抗議運動開始からそれぞれ1年目と431日目の話で、当時は24時間やっていたそうだし、24時間連続ではなく24時間体制と書いてあるのにも注意が必要だ。深夜・早朝にも抗議運動をすると言う話とも読める。

座り込み抗議と聞くと1日24時間連続で何日間も行なうものだと言う印象を受ける人が多いようだが、どうも黒人の出入りを禁じている飲食店で黒人が注文を取ってもらえるまで居座るような運動が始まりで、1日24時間連続で・・・と言うのが無根拠な思い込みになる。看板の文言は、優良誤認感はあるが、間違いとは言えない。

2. 「座り込み抗議不屈3018日」から読み取るべき情報

ひろゆき氏が本当に看板の文言に疑問があっただけなのであれば、もっと注意深く読解しましょうと言う話で終わるが、業務妨害にならんような示威行動(e.g. 座り込み運動)を長々と続けて何か効果や意義があるのか? — と言うのが、提起したかった問題だと想像できる。

当初の熱量は下がり示威行動としては迫力がなくなっているのだが、意義はある。やっている人々が自覚的かは分からないが、工事を強行しても移設計画の中止を諦めないし、工事を強行した人々への不信を強く持ち続ける人々がいることを示している。3018日諦めなかった人々は、永久に諦めない蓋然性が高い。SNSへの投降よりも、現場で抗議している方がまだ強い気持ちであることが分かる。映像からは、そのような人々が現在でも多数いるとは言えなさそうで、抗議運動としてはネガティブな情報も伝えてしまっているが。

3. 抗議者の思いと普天間基地移設問題の是非は別

政治が彼らの主張を汲み取るか、汲みとめるべきかはまた別の話である。普天間基地に騒音や安全性に問題があり、また、市街地の開発阻害になっている現状から考えると、辺野古に移設した方が公共の福祉の改善になりうるし、基地負担の大きさを示す指標としてよく用いられる沖縄の米軍基地面積も縮小される。沖縄復帰から50年間で米軍基地は2割ぐらい縮小しているのだが*3、普天間の辺野古移設もこの流れの中の一つで、実利を考えるとなかなか反対し難い。

0 コメント:

コメントを投稿