2019年10月21日月曜日

「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンの絵は過度に性的なのか?

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日本赤十字社が献血をしたらマンガのキャラ絵のクリアファイルが貰えるキャンペーンを行っている*1のだが、その絵が米国人男性が過度に性的だと言い出し、便乗して太田啓子弁護士が「環境型セクハラをしているようなもの」だと指摘し*2、日本赤十字社に問いただすと宣言、一部のメディアが取り上げ話題になっている。キズナアイ騒動を思い出すのだが*3、彼らの過度に性的か否かの基準は曖昧だし、厳密に考えると女性を社会から排除するものになりかねない。

問題の絵は、『宇崎ちゃんは遊びたい!』のヒロインがウェイトレスの格好をしている作中の一コマの台詞を差し替えたものだが、ウェイトレスの服は露出度も低く過度に性的とは言えない。特定秘密保護法案反対ポスターに写っている太田弁護士の方が露出度が高い。巨乳が目立っているとも言えるが、街で見かける程度である。困り眉がエロいと言う指摘もあったが、何にでもエロスを見出し過ぎでは無いであろうか。差別の再生産になるような話をしている人もいたが、ウェイターも多くいる社会なわけでジェンダーロールを反映している絵ではない*4。現状の社会規範から考えて、問題と言える点は無い。

社会規範が厳しくなり規制を強化すべきと言う主張だと捉えてもよいのだが、フェミニズムの観点から有益とは思えない。女性も服飾や身体的特徴であれこれと言われたく無いであろうし、場合によっては女性の社会的活躍の機会を奪うことになる。乳房が大きいことが社会規範に反するとすれば、乳房が大きい女性が選べる服装が大きく制限されてしまう。身体の線が出る服装は禁止と言うことにでもなったら、水泳は女性がするのに困難な競技になってしまう。

職場で男性が女性に乳房のサイズについて話をふるような行為は「環境型セクハラ」なので女性の利益のために規制されるべきではあるが、一般に公共空間で観察されるような女性の容姿までもハラスメントにしてしまうのは女性の不利益になりうる。ネット界隈のフェミニスト勢で太田啓子弁護士に同調している人々は、女性の利益の観点から再検討して頂きたい。

萌え絵とされる絵柄が嫌いなだけで、過度に性的と言う理由をこじつけて排除しようとしているだけなのかも知れないが、本音は言わないが察して譲歩して欲しいというのはとてもうざったい。まぁ、マンガではウザカワイイ女子が流行りらしいし、太田啓子弁護士もそういうのを目指しているのかも知れないが。

追記(2019/11/14 00:21):武蔵大学の北村紗衣氏が「宇崎ちゃんの胸が絵の真ん中にあってやたらと強調されています」と主張していたが、ポートレイトで中央付近に胸部が来るのはよくあることだし、乳房が大きい人は強調しなくても苦情が来るほど乳房が目立つものである。

*1「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーン実施!|新着ニュース・プレスリリース・イベント|神奈川県赤十字血液センター|日本赤十字社

*2特定の労働者を狙ったセクシャルハラスメントではなく、労働環境自体に問題がある場合。厚生労働省の説明では「性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること」とされ、「務所内にヌードポスターを掲示しているため、その労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと」が例にあげられている。

*3関連記事:バーチャルYouTuberキズナアイは煽情的で、公共に相応しくない造形なのか?

*4そもそもメディアの表現が人々の性的役割分担に関する固定観念を形成するのかが明確ではない。

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