2019年9月20日金曜日

一昨年にあった多核種除去設備(ALPS)の不具合を、今でもあるように騒ぎ立てる前に

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福島第一原発の災害・事故処理で生じた大量に蓄積されたトリチウム水の海洋投棄を巡って色々と議論があるのだが、多核種除去設備(ALPS)がトリチウム以外の核種を取りきれていないと疑惑がネット界隈で拡散している。だいたい放射脳と揶揄される類のいつもの反原発派が声を大きくしているのだが、吹聴する前に事実誤認が無いか、そして目標と整合的な主張なのかよく考えて見て欲しい。

既存の処理済汚染水の一部に、告示濃度限界を上回る濃度のトリチウム以外の核種が含まれているのは事実なのだが、これは(1)ALPSの運用方法の変化、(2)設備不具合・除去性能不足により2017年度までに発生したもので、現在ではトリチウム以外の核種が十分に取りきれなかった問題は解決しており、また告示濃度限界*1を上回る処理水は二次処理を行ってから、環境中に放出する方針になっている*2。「全核種基準値以下ならば、トリツイム水としてPWR発電所並みの目標値で海洋放出はもっとも合理的で害が少ない」と主張している人が、この問題をハーバードもどきの名前を関したウェブ媒体に寄稿するなど騒ぎ立てているのだが、政府や東電と意見が一致しながら政府や東電を非難することになっている。

政府や東電が偉そうでむかつくから政府や東電の事故処理にもとにかくケチをつけたいのであれば、もしくは事故処理をとにかく妨害して福島第一原発とその周辺の復興を遅らせたいと言う悪意があるのであれば、それらにそった合理的な言説と言えるかもだが、そうでなければ支離滅裂な自分を振り返るべきである。政府や東電がやっていることは全部胡散臭いと思っているのかも知れないが、それであれば放出前に基準値以下になっているかIAEAなど第三者が水質検査をするように主張すべきであろう。

*1「告示濃度限度は、人が通常1日に飲む量の水を1年間飲み続けた場合に1mSvとなる当該核種の放射性物質の濃度である(成人:約2.6L)」である。

*2東京電力ホールディングス株式会社 福島第一廃炉推進カンパニー「多核種除去設備等処理水の性状について」2018年10月1日

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