2019年8月29日木曜日

偉い人にぜひ読んで欲しい『測りすぎ—なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』

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人事にしろ投資にしろパフォーマンスは評価せざるをえないし、客観的に見える測定基準の指標に頼ってしまうのが世の常だ。しかし、往々にして指標をつくるためには時間も労力がかかるし、指標を報酬や罰則に連動させると評価される方は組織の目標と乖離した結果になっても指標にあわせて行動を最適化しだす傾向がある。

2019年8月25日日曜日

フェミニストの江原由美子さん、指標の大小の意味はよく確認しましょう

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横浜国立大学の江原由美子氏が、「フェミニストの私は「男の生きづらさ」問題をどう考えるか」と言うエッセイの3ページ目で、「日本では男性よりも女性のほうが、幸福度が高い」ことを、男女共同参画局の調査レポートにある生活満足度の集計値*1では男性の方が指標が高いことから、信憑性が低いと主張している。確かに、男性の方が指標が高い。しかし、これ、(すもも氏のツイートの請け売りなのだが)指標が低い方が生活満足度が高くなっているので、調査結果の読み間違いである。

2019年8月24日土曜日

『ヒトラーとナチ・ドイツ』を読んで、ヒトラーの出世街道を確認しよう

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国際政治史が専門の板橋拓己氏が、ヒトラーとナチについては知りたい人々向けに、石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』とリチャード・ベッセル『ナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い』を推奨していた。ナチス・ドイツ好きでは無いのだが、色々な人が言及したがるドイツ史なので、常識的なことは知っておきたい。『ナチスの戦争』は以前、拝読したことがある*1ので、『ヒトラーとナチ・ドイツ』をざっと拝読してみた。

2019年8月23日金曜日

どこに行きたいのか文在寅

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対日批判を続けてきた韓国の文在寅大統領だが、2019年8月15日の光復節のスピーチではそれをトーンダウンさせ、日本が対話を望めば「喜んで手を結ぶ」 と柔軟な態度を見せた。しかし、日韓請求権協定に規定された、日韓で協定解釈が異なったときの対話手段である仲裁委員会の設置については拒絶し続けているし、日本国民を挑発するかのように、福島第一原発の災害・事故から8年以上経った今頃になって、日本産食品の放射線検査強化をはじめたり*1、韓国も海洋投棄を行っているトリチウムの廃棄に関して日本政府に説明を求めだしている*2。昨日はとうとう、GSOMIAの破棄を決定した。文在寅政権は、一体どうしたいのであろうか?

2019年8月18日日曜日

社会学者の卵の古谷有希子さんの日韓関係への認識について

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社会学者の卵の古谷有希子氏が「日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる」と言うエッセイを書いていて、色々とツッコミどころがあるのではてなブックマークのコメントが賑わっている。既出な問題な気もするが、大きな無理解が4つあるようなので指摘しておきたい。

2019年8月17日土曜日

徴用工問題で日本は韓国に落としどころを示しているハズ

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荻上チキ氏のラジオ番組*1で、朝鮮半島を専門とする政治学者の木村幹氏がインタビューを受けていて拝聴した。社会学畑の荻上チキ氏が振り回す日本人の植民地主義が日韓の軋轢を生み出したかのような話を、木村幹氏が日本人の植民地主義を否定し、日本側は変わっていないのだから韓国が原因で発生した問題とやんわりと全面否定していて面白い。しかし、木村幹氏の説明にも、ちょっと謎なところがある。

2019年8月14日水曜日

日韓外交の専門家は、もっと安倍政権を褒めるべき

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韓国に限らず地域研究全般に言える事だとは思うが、韓国政治の研究者は日韓の相互理解を深めて日韓関係を良好に維持したいと願っているもので、日韓の軋轢に対して否定的な感情を抱いてしまい、直観的にネガティブな評価を下し、日本政府に対して穏便な対応を求めてしまう。ネット界隈で知名度のある木村幹氏も浅羽祐樹氏もその例外ではないようだ。

2019年8月12日月曜日

小泉進次郎衆院議員、政府の役職につくまで国会質問はして来ていますよ

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Twitterで小泉進次郎衆院議員が10年間の議員生活で一度も国会で質問を行っていないと言う噂が駆け抜けた*1のだが、国会会議録検索システムで確認したところ、野党時代も与党時代も国会質問をしていたのでガセであった。内閣府大臣政務官と言う謎の役職についてからは、政府側の人間になるので政府に議員としては質問していないと思うが、代わりに両院に呼び出されてあれこれ発言をしている。忙しい方では無いであろうか。

2019年8月4日日曜日

開催側の配慮の足りなさ、根性の無さが伝わる「表現の不自由展・その後」

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国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の中の「表現の不自由展・その後」の一部の展示物が物議を醸し、開催側の愛知県知事の大村秀章氏と芸術監督の津田大介氏が中止を決定する事態に至った*1。そして一部の展示中止を求めていた河村たかし市長が関係者に謝罪を要求している*2のだが…この芸術祭の運営会議・会長代理は誰であったか忘れてしまったのであろうか。

2019年8月3日土曜日

求められる査読付き新書レーベル

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文学者/エッセイストの池内紀氏の『ヒトラーの時代』の記述に多くの誤りがあると歴史研究者から指摘されており*1、特にある章は正誤表での訂正が困難なレベルであるそうだ。歴史を題材にした文学者の随筆だと捉えればよい気もするのだが*2、良質の歴史書が並ぶ中公新書が出してしまったので失望が大きい。中央公論新社が既刊への批判をどう処理するかが注目されるが、もう少し制度的に製作過程を改善すべきかも知れない。

2019年8月2日金曜日

申叔舟「願わくは国家、日本と和を失うことなかれ」文在寅「協定や合意は守ってやらないし、日本側の要請では対話してこなかったが、全責任は日本にある」

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李氏朝鮮の時代、『海東諸国紀』を記した申叔舟は「願わくは国家、日本と和を失うことなかれ」と成宗に残したとされる(邦訳版後書き;p.409)のだが、朝鮮半島では伝統的に地続きの中国によった外交が展開され、対日関係は後回しにされがちだ。