2019年1月10日木曜日

三角関数は絶対に学ばされる知識なのか?

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元大阪知事/元大阪市長/弁護士/タレントの橋下徹氏が「三角関数は絶対必要な知識なのか」と言う疑問を投げかけている。「国民全員が絶対に学ぶべき義務教育」に三角関数は含めるべきではないと言う主張だと思うが、すでに義務教育から三角関数は排除されているし、高校数学でも数Ⅱなので必修範囲には含まれない*1。理工系の大学に進学する高校生は学ばないといけないが、大学の勉強で使うので諦めよう。

中高は職業模索期間であって人生の可能性を広げる教育内容が求められるから、中高の教育でこの世の人々の大半が使っている知識に絞れと言う方針がよくないとも思ったのだが、話の前提がおかしい事になっていた。ところで、橋下氏の発言に呼応して三角関数が使われている技術の大喜利がネット界隈で繰り広げられていたのだが、三角関数を使っていても、三角関数が技術的に必要不可欠とも限らないことには注意したい。

電気や電波で必要と言うのを見かけたが、オイラーの公式から、ネイピア数と複素数があれば三角関数を陽に出す必要は無い。画像圧縮の離散コサイン変換を三角関数が有用な例として紹介している人もいたが、周波数成分が取り出せる直交変換であればcosである必要はなく、アダマール変換やウェーブレット変換と言う選択肢がある。測量で必須と言うのは、測量士の試験で必須と言うだけで、原理的には初等幾何学で何とか凌げるようだ*2

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