2015年10月26日月曜日

ジャンボ・ジェットを操縦する

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Boeing 747-400型機の離陸から着陸までの運用を説明すると言う本『ジャンボ・ジェットを操縦する』の評判が良かったので、拝読した。少し古い本で、もう日本では飛んでいない機材の紹介になっているのが残念だが、操縦方法だけではなく、業務の流れや管制との交信、機材の機能や構造などが広く紹介されており、旅客機に関する豆知識がまとめて手に入る。

全体の構成は自然なものとなっていて、読みやすい。第1章でフライトプランの提出やブリーフングが説明され、第2章で機材チェック、第3章でエンジン・スタート、第4章で離陸し、第5章で巡航し、第6章で着陸し、そして現地で休息を取る所で終わる。それぞれで関連する、業務手順や機材操作、航空機の仕組みが説明される。第7章の機材の歴史の説明は、付録的なものとなっている。

題名からすると意外な感じもするが、技術的な話も豊富で、例えば地表ほどの与圧がされない理由が説明されていたりする。内外の気圧差が大きいと内側からの圧力が大きくなり、機材の強度が必要になるためだそうだ。しっかり読み込めば知らない子どもに、旅客機の速度がマッハ0.85止まりな理由を説明できる薀蓄野郎になれる。

もちろんもっと基本的な知識、旅客機がどういう情報に基づいて経路を決めていて、旅客機の安全対策がどういう計器によって行われているのかも、図付で知ることができる。旅客機の描写は映画や漫画に限らず残念なことが多いので、こういう本を読むと観るのがつらくなりそうなのだが、それも運命なので受け入れて色々な人に読んで欲しい。

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