2016年6月22日水曜日

為替相場にかかった異次元緩和の魔法が解ける

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2013年4月の異次元緩和後、特に2014年11月以降の追加緩和の後、為替相場は大きく円安に振れた。教科書的な為替相場の説明である金利平価から言うと、これはかなり不思議な現象だ。これは、購買力平価と実質金利差で為替レートが定まると言うもので、誤差は相当あるものの大雑把には説明力があると思われている。ゼロ金利下でマネタリーベースを引き上げる量的緩和を行っても、金利を引き下げる事ができないから、この理屈では為替レートは動かないように思えるのだが、実際は経験則を大きく超える動きがあった。しかし、ここ一ヶ月で為替相場は大きく振り戻し、金利平価の経験的な誤差の範囲内に戻ってきた。

一応、図を見てリーマンショック後の動きを確認しておこう。黒線と赤破線の開きが、2014年末に大きく拡大するものの、リーマンショック前の2008年2月ぐらいの程度に戻ってきた事が分かる。この記事を書いている時点では、1ドル104円台前半。

FRBのバランスシートの大きさを見ると、2015年に入ってからはその大きさは拡大していない。政策金利も一回、引き上げている。日本側だけがどんどんとマネタリーベースを拡大しているわけで、マネタリーベースが為替レートを決定しているとすると、説明がつかない。

今の円安が一時的状況と言う可能性もあるのだが、日米のマネタリーベース比が円ドル為替レートを決定すると主張していたリフレ派の中から円高に対して追加緩和を求める声もチラホラと聞く。彼らの理屈が正しければ、追加緩和なしでも円安方向に戻るはずなのだが。実際のところは、リフレ派も量的緩和の効果を本心では信じていないのかも知れない。

なおOECDの計算によると購買力平価は2015年で105.3円程度らしいので、日米の実質金利差がゼロであることから考えると、そう円高と言えるわけではない。

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