2014年7月30日水曜日

ヘイトスピーチの非合法化には反対

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地下鉄でヘイトスピーチを行った女性の動画がSNSで広まり、警察が彼女を逮捕した件に関連したエッセイが掲載されていた(Guardian)。ヘイトスピーチには反対だし、件の女性を擁護する気は無いそうだが、それでも逮捕は行き過ぎだし、ヘイトスピーチの非合法化には反対だそうだ。その理由として、大雑把な紹介だが、以下の四つ挙げられていた。

第一に法律は限定的な効果しか持たない。英国でRace Relations Actが制定されてから、実際に起訴された数は数えるほどしかないそうだ。ヘイトスピーチは明白な差別行為ではないので、規制が難しい。

第二に、上述の女性の件では軽犯罪法(Public Order Act)で罪に問えるので不要な規制となっている一方で、誰かが侮辱されたと感じるだけで警察は任意に逮捕することができる。これは政治活動家の行動を阻害する可能性がある。

第三に、マイノリティや社会的弱者にも法律は適用される。英国の場合は、ムスリム系団体が制定に尽力したのに、ムスリムが起訴されるケースが多く、他にもシーク教徒の劇作家を告訴しようと言う動きがあったそうだ。

第四に、法律で規制せずに人種差別を見えるようにしておいたほうが、それが過去のもので問題がないと言う誤解を招かなくて済むそうだ。件の女性も、タブロイド誌の偏向記事に乗せられただけで、メディアの問題を示唆するものだと考えられる。

不愉快な思いをする以上の実害はないので、個々の人間がヘイトスピーチに反対していけばよいと言う考えのようだ。日本でも在特会のデモが何かの効果を持ったとも思えないし、この主張は参考になると思う。

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