2010年4月22日木曜日

iPhoneのSDKの契約条項がもたらすもの

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スマートフォン市場において、RIMのBlackBerryに続くシェアを誇るiPhoneだが、そのSDKのある条項が揉めている。
問題の条項は、CNET Japanの記事によると以下の一文だ。

アプリケーションのオリジナルのソースコードは、iPhone OSの『WebKit』エンジンが実行できるObjective-C、C、C++またはJavaScriptで記述されなければならない。

Appleが提供している開発ツールはObjective Cに対応するものであり、大部分の開発者には問題が無いが、AdobeのFlashやScratch等のインタープリッタが影響を受ける事となる。特に、Flashを排除したことはPC等で利用者が多数いるため、大きな反響を呼んだようだ。

影響範囲はFlashにとどまる分けではない。
テキスト・エディターだって、マクロの実行環境と言えなくも無い。また、最近のゲームでは、ゲーム内のキャラクターの動きや、マップの挙動を中間コードに落としている事は往々にしてある。これらも独自言語のソースコードとも言えなく無いので、新条項が厳密に適応されれば、アプリケーション作成の自由度は著しく制限されることになる。

つまり今回導入される条項は、Appleの経営的な都合で、高機能アプリケーションをいつでも排除可能にするものだ。

しかし、Appleが変心したと捉えるのは誤りかも知れない。
Appleはずっとエミュレーターの類を禁止してきており、今回の改訂はその延長とも考えられる。最近は、成人向けのアプリや、テンプレート・アプリと呼ばれる粗悪なアプリの排除を行っている。さらに、FlashやJavaアプリ等の中間言語で書かれたアプリは動作が重い事も多いので、Appleとしてはアプリの品質向上を狙ったものかも知れない。

何はともあれ今回の条項でもたらされるものは、従来よりもiPhoneではAppleが狙ったアプリケーションだけが許される世界だ。狙いが何であるかは色々な見方をすることができるが、Appleがアプリ開発者に対して支配力を強めたのは間違いない。

iPhone/iPadの開発者から見ると自由度が落ちて窮屈さが増したことになるが、開発の行動に大きく影響を与えるかは疑問だ。また窮屈になった制限が、 Androidアプリ等とiPhoneアプリの魅力の差になる可能性は低いであろう。結局はインストール・ベースがいかに大きいかが問題であり、BlackBerryに次ぐシェアを持つiPhoneの魅力は変わらない。
今までもAppleのアプリ審査については色々と言われてきたが、多くのiPhone開発者はそれを気にしていないように思える。つまり、問題の条項がもたらす影響はごく軽微だ。

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