2010年4月27日火曜日

関空・伊丹の経営統合

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4月25日、前原国土交通相と大阪府の橋下徹知事が関西国際空港と大阪(伊丹)空港を経営統合し、両空港の運営権を一体にして民間に売却する方向で大筋合意したと言う。

しかし民間に経営委託をした場合、大阪府の意向が反映されるとは限らない。伊丹空港が存続し、関西国際空港が廃校になる可能性さえある。伊丹空港廃止論者である橋本知事が、自分の意図が通らない可能性がある案に、なぜ合意したのだろうか?

まずは、橋本知事の目標を確認したい。言動で物議を起こす知事だが、航空行政に限って言えば、保守的な立場である事が分かる。騒音、設備、財政の問題で、伊丹空港の廃止を主張せざるを得ないのだ。

そもそも、伊丹空港は騒音問題が多発しており、市街地に近いこともあって危険だと考えられていた。1960年代には空港廃止運動が熱心に展開され、夜間の離着陸やエンジンが3発以上の定期旅客便の運行が停止されている。つまり、ジャンボジェットで親しまれるB747や、世界最大の旅客機であるA380は定期便で離着陸できない。3Km以上の滑走路も1本しかなく、離着陸能力も高くない。つまり、時代遅れの空港になっている。

伊丹空港を廃止・用地を売却することを前提に作られたのが、関西国際空港だ。離着陸料が高いとか言われているが、成田空港に比べれば都心部に近いし、何よりも日本初の24時間空港であって、国際ハブ空港としての可能性を備えている。

しかしながら、伊丹空港が存在すると国内便の顧客が、関西国際空港を利用しないのも確かだ。また、伊丹空港が存続していると用地売却ができないので、関空建設のための、約1兆円の債務が削減ができない。収入面でも、負債面でも、伊丹空港の存在が大阪府の財務的な圧迫になっている。当初の予定通りに伊丹廃止となれば、関空は黒字になると見込まれるのだ。経営母体を統合し、伊丹と関空をセットに考えると、伊丹の廃止しかありえないと言うのが橋本知事の考えであると思われる。経営母体が同一であれば、民間であっても伊丹廃止を決定するであろう。

右のグラフは利用者数だが、現在では国内線しかない伊丹空港が圧倒的なシェアを誇ることが分かる。一方で、ここ5年間は各空港の利用者数に変化があるのにも関わらず関西の3空港の利用者合計は2500万人弱で安定しており、3空港で利用者の取り合いになっている事が分かる。伊丹空港の利用者が関空に振り分けられ無ければ、関空の経営が改善しないのは想像に難しくない。

さて、良く分からないのが兵庫県知事。神戸空港も赤字空港で、かつ、就航便は年々と減少しつつあるのが現実だ。伊丹を存続すれば、自動的に神戸が廃校に追い込まれることに気づいていないように思える。伊丹市が大きな票田なのは分かるが、神戸の開発に失敗すれば行政上の大きな痛手になることも、忘れるべきではない。

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