2019年10月14日月曜日

台風19号による水害と、民主党政権時の脱ダムは三つの点から関係ないよ

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大規模水害が生じる度なのだが、事業仕分けで中止されたスーパー堤防があったら水害が防げた、事業仕分けで中止*1されたが自民党政権時に復活した八ッ場ダムで利根川流域の水害が防げたと言う趣旨のツイートが流れている。これ、3重の意味で現状の水害防止能力に関係がない民主党嫌いの人々の流している誤解なので、釣られないようにしよう。

まず、民主党政権時の事業仕分けによる脱ダムは、八ッ場ダムが代表なのだが、野田内閣のときに(地元の反対ですでに止まっていたモノ以外は)だいたい中止決定が覆されて元の事業計画に戻っている*2

次に、年間降水量の3割から4割にも相当するような降雨量があった場合、ダムひとつでできる河川の水量調整など微々たるものである。ダムの総貯水容量の何十倍もの雨水が河川に流れ込むときは、ダムで水害防止などできない。

最後に、スーパー堤防なのだが、堤防の内側の土地(堤体)を堤防の高さまでかさ上げして、越水しても堤防が決壊しないようにし、被害を抑え復旧を迅速化するための構想だ。堤防が高くなるわけではないので、今回の水害で越水した堤防は、仮にスーパー堤防であっても越水したであろう。また、着工から完成まで百年単位で時間がかかるため、計画が続行されていても間に合わない。さらに、首都圏の一部の地域でしか計画されていなかったので、水害にあっている地域は計画外であった。

既にあちこちで指摘されていることをおさらいしてみた。水害は人々に与える衝撃が大きく、それに乗じようとする愉快犯が後を絶たない*3のだが、台風被害を左右するほどの治水事業の方針変化は民主党政権時には起きていない。

*1正確には計画復活した区間があるので縮小となる。

*2長野県の被害は、田中康夫・元長野県知事の影響を検証したほうがよいかも知れない。もっとも、今回洪水被害が甚大であった千曲川の千曲川上流ダム計画は田中知事時代の前に撤回されている。

*3ダムが水害を悪化させたという逆のパターンのデマもある(関連記事:ダムの建設と放流による増水というのは人災か?

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