2019年7月28日日曜日

女性の性感染症の増減と雇用環境に相関があるように見えるグラフは、統計を使った嘘だから!

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マルクス経済学者の松尾匡氏の『不況は人災です!』の図1-3(p.35)をひいて、本の一節のコピペな気もするが、「雇用状況が悪くなると、性的なサービスによってお金を得る女の人が増え、雇用状況がよくなると減るということを表しているのではないでしょうか」と主張するツイートが注目を浴びていた。いや、それ、『統計でウソをつく法』の典型例だから!

ワクチン忌避は集合行為問題ではないよ

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哲学者のジョセフ・ヒースが「ワクチン接種は集合行為問題だ」と言い出して、それを真に受けているような人がいたのだが、この議論においてはヒースさんの勘はよく働いていない。実際のワクチン接種の集団免疫効果はそれに依存できるほど高いものではないし、反ワクチン派の振る舞いは集合行為問題からは説明し難いから、安易に合理的な人々によるフリーライダー問題だと結論を出すべきではない。

2019年7月27日土曜日

ジェンダー社会学者の皆様、無根拠・無条件にDV防止法の保護命令は役に立たないと言うのは、DV被害者の利益にならないですよ

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社会学者の千田有紀氏が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)にある、加害者が被害者への接近を禁じる「保護命令なんて、なかなかなかなか出ませんよね」と主張し、「保護命令の申立ての約8割、取下げを除けば9割以上が認容されている」から事実誤認だと批判され、「保護命令のハードルは高く、却下されたときのリスクを考えて、みんな申請を控えている」「保護命令自体が、加害者を刺激する割に使い出がない」と反論している。千田氏の主張は根拠やそれが当てはまる条件が明示されておらず*1本当は保護適当なのにDV被害者にその申請を躊躇わせる可能性があるのだが、弱者女性の不利益になる可能性について考慮されているのであろうか。

2019年7月26日金曜日

野党もそこそこ普通にできた第25回参院選挙

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目だった争点がなく投票率が低くなった2019年7月21日の第25回参院選挙は、野党が良い意味で平常に戻ったことが分かる選挙でった。建前に拘らず、現実を見据えた展開ができた。レベルの低い基準ではあるが、小池—前原の希望の党騒動の結末を考えれば効果が確認されていることを実施するだけでも上出来だ*1。議席数が少ないと政党に所属する政治家の経験値が増えず、組織としてジリ貧になってしまう現実を考えれば、小手先技でも議席数を確保するのはとても大事である。

2019年7月22日月曜日

『社会学はどこから来てどこへ行くのか』の計量分析への言及について

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対談をまとめたもので語弊はやむを得ない気もするが、ネット界隈でよく見かける社会学者4名の対談本『社会学はどこから来てどこへ行くのか』にある計量分析への言及について、これを読む社会学徒に信じて欲しくない点を記しておきたい。なお、本の主題としては今後の社会学研究をどうやっていくかのような話であり、本題の社会学に関する部分は社会学徒が批判を加えている*1

2019年7月20日土曜日

北田暁大さん、山岡重行『腐女子の心理学2』はオーソドックスに分析していますよ

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社会心理学者の山岡重行氏の『腐女子の心理学2』(以下、山岡本)の統計解析について、社会学者の北田暁大氏が色々と批判している*1のだが、地に足が着かない批判になっている。山岡本を流し読みだが確認してみたのだが、後半の統計概念の説明に難が無いわけではないが、山岡氏の分析手順はオーソドックスな範囲のものであり、大きな問題がある部分は見当たらない*2。利用した分析手法で言える範囲のことしか言っておらず、大きな問題だと主張するのは無理である。そもそもこの手の実証研究は分野ごとの慣習に習うものなので、下手に難癖をつけてもなかなか的を得た批判にはならない。

2019年7月14日日曜日

「大韓民国向け輸出管理の運用の見直し」は警告、そして日本政府は次の手を打つことになる

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大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて、日韓のメディアが大きく報じている。建前は韓国の貿易管理体制や日本との連絡体制の機能不全への不信であり、本音は韓国が日韓の合意を遵守しないことへの不信と言うことになるのは明白で、実際問題、韓国側に本音を理解してもらいたい官邸の計算が見える。日韓の合意事項を守らない韓国に、何らかの措置をとるかもよと言うメッセージを十分に伝えた。

2019年7月13日土曜日

山岡重行が批判する北田暁大『社会にとって趣味とは何か』の標準得点の問題点について

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社会心理学者の山岡重行氏が、社会学者の北田暁大氏が『社会にとって趣味とは何か*1で行った、「夫は外で働き、妻は家庭を守るほうがよいと思う」*2などの質問に、あてはまる(4点)/ややあてはまる(3点)/あまりあてはまらない(2点)/あてはまらない(1点)の4択で答えてもらったアンケート結果の集計方法について、批判を通り越した非難を展開している*3。分析手法はすべて公開されているのだから、不適切な分析であっても捏造とは言えないと思うのだが、それはさておき標準得点は使わない方が良かった。

『答えのない世界に立ち向かう哲学講座――AI・バイオサイエンス・資本主義の未来』

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ネット界隈で人工知能や生命科学に関する哲学的議論はよく見かける気がするのだが、過去の倫理的議論との整合性まで踏み込んだ哲学者の議論まで紹介されていることは少ない。紹介されている場合でも、妙に断片的な引用になっていたりして要点を抑えていない感じもある。軽い読み物で何か紹介が無いかなと思っていたら、『答えのない世界に立ち向かう哲学講座――AI・バイオサイエンス・資本主義の未来』と言うのがよさげであったので拝読してみた。

2019年7月10日水曜日

稲葉振一郎『社会学入門・中級編』の期待効用理論の説明について

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社会学者の稲葉振一郎氏の『社会学入門・中級編』を読みかけてしまって気づいたので、経済学に関する説明について問題点をひとつ指摘しておきたい。全体の議論には大した影響は無いと思うが、気づいてしまったので。ドナルド・デイヴィッドソンの著作の影響で意志決定理論に踏み込みかけたものの、うまく消化できないまま説明を試みたような雰囲気が漂っている。

2019年7月8日月曜日

元財務官僚・高橋洋一の教科書にある中心極限定理の説明について

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東京大学理学数学科卒で、常日頃、文系の経済学者は数学や統計が分からないと罵ってまわっている元財務官僚・高橋洋一氏の著書『図解 統計学超入門』の中心極限定理の説明「相互に独立な確率変数X1、X2、X3、…、Xnがあるとき、これがどのような確率分布であっても、nが大きくなればなるほど、正規分布に近づいていく」がデタラメだと話題になっている。確かに、初学者向けの説明としても、2点、看過できない誤りがある。

2019年7月7日日曜日

稲葉振一郎『社会学入門・中級編』の計量経済学に関する説明はデタラメなことを社会学徒に知って欲しい

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第1章の内容で全体がどうこうと言う話ではないのだが、社会学者の稲葉振一郎氏の『社会学入門・中級編』の第1章にある計量経済学に関する説明はデタラメなので、他の社会学徒の皆様は騙されないように注意して欲しい。ネット界隈の印象に過ぎないが、社会学者の集団はサークルをつくって思い込みを共有しだすので、由々しき事態である。ミクロやマクロの計量分析をしている経済学者たちに草稿をチェックしてもらうなりすれば、ここまで露骨に変なことにはならなかったと思うのだが。

2019年7月6日土曜日

山岡重行の統計的仮説検定の説明に対する北田暁大の批判について

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社会心理学者の山岡重行氏の『腐女子の心理学2』の巻末の統計学用語の説明に関して、社会学者の北田暁大氏が色々と批判している*1。しかし、あれこれ経緯がある*2からだと思うが、全般的に勇み足になっているので指摘しておきたい。山岡氏の記述にも問題が無いとは言い切れないのだが、統計学を学んでいない人向けの説明であろうことを念頭に置くと、山岡氏が統計学に無理解であるかのような批判は適切ではないと思われる。

2019年7月1日月曜日

「トランスジェンダー女性は女性なのだから、女性として取り扱わないと差別」にどう反論すべきか

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ネット界隈で保守的な人々が、トランスジェンダー女性とそうではないシス女性を区別して取り扱うべきと言う主張をし、どちらも女性なのだから同じように扱うのが筋ではないかと言う反論を受けていた。「トランスジェンダー女性は女性なのだから、女性として取り扱わないと差別」と言うのは、トランスジェンダー女性と言う表現における女性の意味と、単に女性と言ったときの女性の意味が異なるのを無視した詭弁なのだが、なかなか巧妙なのでとっさに反論を行うのは難しい。