2019年2月9日土曜日

ジンバブエ経済のここ10年間の成長が意味すること

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ネット界隈の経済論壇ではちょっとづつMMT信者が増えてきており、存在感が薄くなりつつあるリフレ派なのだが、それでも信仰の強い人々はいる。昨日はここ10年間のジンバブエの経済成長率を引き合いに出して、比較すると日本の成長率が低いと、日本の財務省を非難していた。曰く「職員に最低限の知識がない」そうだ。

ジンバブエは一人あたりGDPが2000ドル未満の国で、技術援助を受けるだけで成長が望め、さらに人口増加をしている国であり、日本と比較するのはどうかと思うが、ジンバブエの経験からも学べることはある。2008年までマイナス成長であり、2009年からプラス成長なのだが、ハイパー・インフレーション*1は2008年までであった。2009年以降は7%を超えるインフレは記録されていない*2

ジンバブエ・ドルの通貨価値がゼロにほぼ収束して、公的支出を含めて外貨が扱われるようになったのだが*3、ジンバブエ政府は財政赤字をマネタイズによって賄えなくなり、均衡財政主義的になった。それによって金融面が安定することにより、経済が機能するようになったのだ。なお、白人経営者がジンバブエに戻ったような話は無く、白人経営者を追い出したためにハイパー・インフレーションになったかのような言説は嘘だとわかる*4

こういうわけで、ジンバブエ経済の2008年から2018年の経済成長が意味することは、成長余地があっても財政赤字によって生じたインフレは経済を破壊すると言うこと。特に2009年に注目すれば、独自通貨を発行していても、通貨発行益は無限に享受することはできないことも付け加えることができる。ところで、誰に最低限の知識がないと言う話だっけ?

*1ケーガンの操作的定義によるものではなく、社会通念上のものである。

*2ジンバブエのインフレ率の推移 - 世界経済のネタ帳(注意:2005年から2008年のインフレ率が他ソースと比較して過少に記録されている)

*3ジンバブエのハイパーインフレはそれからどうなったのか : Timesteps

*4供給ショックはインフレ要因ではあるが、それだけでは継続的なインフレの原因にはならない。

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