2016年11月2日水曜日

企業献金を禁止したら、教会とマフィアの影響力が強くなった

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拙速な制度改正は、予想外の結果を生む。ブラジルでは2015年9月に国営石油会社ペトロブラスの贈賄疑惑*1の余波を受けて選挙法が改正されて、政党及び候補者への企業献金が禁止され、個人献金も課税所得の10%以下に制限されたのだが、その結果、2016年の全国市長選は2012年と比較して6割以上献金が減った一方、教会とマフィアの影響力が強くなったそうだ(The Globe and Mail)。

教会の影響力が増すのはさもあらんと言った感じだが、裏社会の方は巧妙に取り締まり切れないところを突いているようだ。選挙管理委員会によると、何万もの生活保護給付(Bolsa Família)を受けている貧困層や失業者が不往相な額の寄付を行なっているそうだ。彼らが積極的に資金源に協力しているのか、勝手にIDを使った不正なのかは分かっていない。リオ大学Fundação Getulio Vargasの社会学者Amaro Grassi氏は、選挙法改正は資金の出所を隠蔽することによって、資金源と政治の関係を分かりにくくする結果となったと批判している。

マフィアと自警団が結託して地方自治に影響を与えていたりするブラジルだからこその現象な気もするが、そもそも企業献金の禁止が贈賄の抑制になるのかが謎である。規制強化が主張されているようだが、司法の能力にも限度はあるだろうし、企業献金を解禁してパワー・バランスを調整する方が望ましいかも知れない。なお、大統領及び代議院議員選挙は2018年になり、政治学者のSidia Lima教授はそれまでの制度改正を予想している。

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