「R言語は本当に実装向きではないのか?— 固定観念を問い直す」と言う記事を見かけたのだが、シングルスレッドだからシステム構築に向いていないと言う主張がされていた。Pythonのウェブアプリケーションもシングルスレッドで使われているわけで、話がおかしい。恐らくシステム構築に関わったことが無い人が書いている。
2025年3月16日日曜日
2025年3月15日土曜日
ガバメントクラウドに関係なく、自治体のセキュリティー対策がしっかりしていた件
コンテナ化技術(Docker, Kubernetes)の時代
ウェブやデータサイエンス方面のソフトウェア構築では、気づくとコンテナ化ソフトウェアのDockerが必須技術のように言われており、コンテナオーケストレーションツールのKubernetesがデータセンターの新たな基盤になったような話を見かけるようになった。コンテナ化技術の時代。
コンテナ化技術は、データセンターのクラウド化(IaaS)を可能にした仮想マシン技術とよく対比される。技術的には随分と異なる。仮想マシンはオペレーティング・システム(OS)にまるでハードウェアがあるかのように見せる技術だが、コンテナ化はOSの名前空間とプロセス管理をつかったアプリケーションの隔離である。しかし、コンテナ向きの仕事を、仮想マシンがしばらく担ってきた。
2025年3月11日火曜日
なぜトランプ大統領はロシアびいきなのか? — その事業の資金源から考えよう
アメリカの世論はロシアに厳しい。ロシアのウクライナ侵攻に関して、世論調査では有権者の52%がウクライナ側につくと答え一方、ロシアを支持した人は4%に過ぎなかった*1。また、70%が開戦責任はロシアだといっている*2。ところがトランプ大統領は親ロシア派だ。
トランプ大統領はロシアの戦争責任を認めず、国連の非難決議には反対している。概ねクリミア併合以降の対ロシア制裁の撤廃を主張しており、実際に2019年1月にはロシアの企業や個人への制裁を解除した*3。現在も制裁解除を模索していると報じられている*4。共和党の影響もあるのか2018年3月と8月に対ロシア制裁の強化も行っているが、積極的とは言えないものであった。
2025年3月10日月曜日
2025年3月8日土曜日
ガバメントクラウドが要求するモダン化されたアプリケーションだからと言って、セキュリティー万全とは言えないよ
ガバメントクラウドは、クラウドの中でもシステムの土台の方へのサービス(IaaS,PaaS)に関する認定で、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に基づき高いレベルのセキュリティ対策が必要になる。しかし、ガバメントクラウド上で動く(SaaSを含む)アプリケーションに関しては、特段の監査は行われない。
地方自治体向けのアプリケーションのASP向けの規制案「ガバメントクラウドにおけるSaaS(公共SaaS)について(案)」が出て来て、不十分なセキュリティ対策ではないかと言う声が上がっている。ASPは事業者で、SaaSはアプリケーションを提供するサービス。対策不十分と言うだけではなく、何か勘違いをしている可能性がある。
2025年3月4日火曜日
デジタル庁クラウドチームのWeb API(と言うかSPA)推しにあふれるスケーラビリティ重視
2025年3月2日日曜日
デジタル庁クラウドチームの推奨アーキテクチャへの移行をしても、複雑怪奇な夜間バッチは複雑怪奇なイベント処理にかわるだけ
ギーク感あふれるデジタル庁クラウドチームのデータベースへの理解
筆が滑っただけだと思うが、デジタル庁クラウドチームのデータベースへの理解が不十分な気がしてきたので指摘したい。データ中心主義(DOA)からプロセス中心主義(POA)に逆戻りしている。また、業務要件からデータベースのトランザクションが満たすべき性質を考えていない。
古臭い話で、クラウド大好きギークの皆さんは好きではない概念だと思うが、忘却すると地獄の業火に焼かれることになる。
2025年2月28日金曜日
2025年2月27日木曜日
デジタル庁の言う「ベンダーロックインの回避」では、アプリケーションのポータビリティが確保されず、外資系に自治体システムが呪縛されかねない件
デジタル庁はガバメントクラウドに熱心なのだが、現時点での自治体システムのガバメントクラウドへの移行は、実質的にAWSなどの外資系クラウドサービスにサーバー周りのインフラを移行を意味している。クラウドサービスはグローバル寡占市場であり、価格や品質に問題が生じた場合の代替策はオンプレミス回帰だ。
2025年2月25日火曜日
デジタル庁ファクト&データユニットがダッシュボード職人()なのではないかと心配になった件
2025年2月24日月曜日
東洋水産株式会社(マルちゃん)が投稿したアニメは、カップ麺(赤いきつね)を食べている間にソファーが消える
炎上防止コンサルタントの非難で表情や仕草や生成AIの利用が議論が広まった東洋水産株式会社(マルちゃん)が投稿したアニメ動画なのだが、注目すべき点が無視されていたのが残念であった。女性キャラクターがカップ麺(赤いきつね)を食べている間にソファーが消えている。
2025年2月22日土曜日
さくらのクラウドを応援したいけれども、ITエンジニアとしてはAWSなどの外資系サービスを使いたい
…と言う率直な意見のツイートが10日ほど前に流れ、盛り上がっていた*1。
さくらのクラウドは、日本でもっとも頑張っているシステム構築用途のクラウドサービスだ。ホスティング事業者さくらインターネットが運営している。AWSはインターネット通販最大手が手がけるサービスで、世界市場で3割強、日本においては5割のシェアを誇る。実績から利用ノウハウの共有が進んでおり、提供されているサービスが先進的だ。
2025年2月21日金曜日
2025年2月16日日曜日
政府のシステムの多くは、モダンなクラウドよりも、レガシーなソリューション向きなので
2025年2月12日水曜日
人工知能パターナリズムは、共同体主義でも、家父長制でも無いから
アンフェのネット論客の朱夏論氏が脱リバタニアン宣言を行なったあと、「テクノ封建制」によってもたらされると言う人工知能が人間にあれこれ指図するパターナリズム*1を予言している*2。
議論自体も粗いのだが*3、言葉の使い方がぐちゃぐちゃなところが気になった。AI家父長制ではなくて、人工知能パターナリズムと呼ぶほうが適切だから。朱夏論氏には共同体主義と家父長制の混乱もありそうだったので、その辺もまとめて指摘したい。
2025年2月11日火曜日
アメリカの公立学校では、Merry Christmasと言うのを禁じても、Happy Holidaysと言えと教えても、違憲になる
アメリカの公立学校ではMerry Christmasと言うのを禁じていると言うMAGA言説をたれ流している自称在米アカウントがいるのだが、そんなことはないので指摘しておきたい。アメリカ合衆国憲法の修正第1条違反になるのだが、宗教保守と知られる福音派キリスト教徒が全人口の4分の1と言われるわけで、Merry Christmasと言うのを禁じた瞬間に裁判になる。
立花孝志が名誉毀損で起訴され有罪になる可能性を大きくする方法
NHKから国民を守る党の立花孝志氏がデマを流し続けてきており*1、それに憤る人々から逮捕しろと言う声があがっている。
逮捕するには罪状がいる。立花孝志氏の言説に関しては、名誉毀損が該当しうるが、親告罪だ。被害者が訴える必要がある。兵庫県議会の百条委員会の委員長である奥谷謙一議員が立花孝志氏を刑事告訴しているのだが、奥谷議員に関する言及で起訴・有罪になるかは心許ない。奥谷議員に対する言及は、無根拠な誹謗中傷に思える一方で、よくある陰謀論に近いからだ。裁判官が受忍範囲と考える可能性がある。
2025年2月9日日曜日
クリスマスは神への冒涜なので、祝ったら罰金
トランプ大統領が反キリスト教的偏見を根絶すると言い出した*1ことに関連して、Merry Christmasはポリコレ違反の禁語、タブーだと言い出した自称在米アカウントがいた。キリスト教保守派の流しているあからさまなデマに引っかかっている。バイデン政権のときにホワイトハウスがMerry Christmas from the Biden-Harris Administration!とツイートしており、それに強い非難が起きたりもしていない。
2025年2月6日木曜日
イーロン・マスクさんのリストラ能力
トランプ政権は、連邦航空局(FAA)や中央情報局(CIA)を含む連邦職員に早期退職を呼びかけ、国際開発庁(USAID)や教育省(DE)の廃止の方針を打ち出し、大幅な人員削減まっしぐらとなっている。このリストラは大富豪のイーロン・マスク氏率いる政府効率化省(DOGE)がリードしているようなのだが、それが一つ懸念材料になっている。マスク氏はリストラで業績を立て直してきた経営者ではないからだ。
2025年2月4日火曜日
2025年1月30日木曜日
2025年1月29日水曜日
中国製生成AIのDeepSeekの衝撃は…意外にないよ
ChatGPTなどの競合他社と比較して省リソースで動き、同等品質の回答を出してくる、中国製生成AIのDeepSeekが公開され、投資家の皆さんに衝撃を呼んでいる*1。
生成AIシステムで大量に用いられているGPUへの需要が減るかと思われたのか、NVIDIAの株価の下落が目立っていた。ただし、これは投機的な反応だ。生成AIが同じ回答を出すのに必要な計算量が減れば、月のリクエスト数を増やしたり、応答性能を改善したりできるし、すると利用者も増えるので、ハードウェア投資が減るとも限らない。
2025年1月27日月曜日
弱者男性を罵しりたい女性には、弱者男性を罵しらせておこう
2025年1月26日日曜日
2025年1月21日火曜日
2025年1月19日日曜日
牛角の女性半額キャンペーンは、(もしそれがあれば)ジェンダーステレオタイプの解消に作用したよ
昨年の9月に開始された牛角の女性半額キャンペーンがSNSで強い非難を浴びていたことはまだ記憶に新しいが*1、牛角への非難を踏襲した議論をYuto Kunitake氏が論文にまとめてCorporate Communications誌に投稿し、掲載されることになった*2。しかし、著者が採択された原稿を公開していたので拝読したのだが、細かい表現がよろしくない。
2025年1月11日土曜日
質的調査で「仮説」が検証できるまで調査対象者を増やすのは研究不正にあたるのか?
社会学の質的調査*1では、仮説が検証できるまで調査対象者を増やしていくと言う説明があり*2、𝕏/Twitterで統計学的に不正だと非難されている。
社会学者がやっていることなので胡散臭く思うわけだが、その非難は的を外している。サンプルサイズを適応的に増やすことが直ちに統計不正になるわけではないし、そもそも質的調査は事例研究に過ぎず、統計解析から普遍的な傾向を示すものではない。またインタビューイを増やすことが、標本調査のサンプルサイズ拡大にあたる行為とも限らない。