2018年10月に「各政党が独自のカラーを出しながらも、大きな部分だけを一致させ、あとの細かな政策の違いはお互いが譲り合う。そこをしっかり調整していけば、野党は必ずひとつにまとまる」と言っていた国民民主党の玉木雄一郎代表*1だが、今年の4月17日に連合を混じえて基本政策の合意を済ました立憲民主党の連立打診に逃げ腰の姿勢を見せ続け*2、昨日の日本維新の会と自由民主党の連立に向けた協議に対し、その直前の立憲民主党・維新・国民の三者協議は何だったのかと文句を言っている。
2025年10月17日金曜日
2025年10月11日土曜日
石破総理の戦後80年ねっとり所感は、戦後日本の保守政治家の思想として、語り継がれるべきもの
出す出さないで物議のあった石破茂総理の戦後80年所感が表明され、称賛と賛同が多く表明されていた。批判もあるが一定の価値を認めた上で、植民地主義(拡張的領土政策)への批判や周辺国への謝罪が明確にない*1事や、閣議決定を経ない手続き上の点*2を指摘するものが大半だ。所感の内容自体は、概ね妥当なものだと認められている。
高市早苗は内閣総理大臣になれるのか? — 少数与党の代表としての調整能力が問われている
保守分裂選挙となり、維新が奈良県知事をとった2023年の選挙のときの奈良県連会長が高市早苗氏だ。これにより高市氏は調停能力に疑問が持たれていたのだが、早くもその懸念が現実となった。高市自民党総裁の裏金議員を復帰させた党内人事に反発から、公明党が自民党との連立を解消すると通達し、自公連立体制が崩れた。
2025年10月8日水曜日
高市早苗は公明党の協力を得つつ「保守」界隈の支持を集めることができるのか?
高市早苗氏が自民党総裁に選出された。野党が突然団結でもしない限り、高市内閣が発足する見込みだ。
高市氏は、保守を名乗る急進右派嫌税排外ポピュリズム色の強い発言をしてきた政治家で、安倍元総理の思想的後継者として振る舞おうとしている人物だ。実際、「保守」界隈で強い人気があり、岸田〜石破内閣で離れた「保守」界隈の有権者の支持を集めることが期待されている。
2025年9月28日日曜日
デジタル庁「すべてのデータを暗号化しろ!」SE「もうちょっと絞ってもらえないですかね…」
「地方公共団体情報システム非機能要件の標準」は、業務アプリケーションの稼働環境のRASIS(信頼性/可用性/保守性/保全性/機密性)のための要件をまとめたものだ。
世間水準のシステム要件の最低ラインになっていく可能性が高いので、旧態以前な表計算で書かれた一覧を眺めているのだが、以前にも増して暗号技術の利用範囲が広くなっている。
なぜポリコレ汚染を研究するのは難しいのか
学生が映画やゲームのポリコレ汚染で論文を書きたいと言ってきたら、まずそれを忘れて作品をよく分析しろと指導すると言う話に、表現規制派フェミニストを非難してきた界隈(表自界隈)から批判が集まっていた。ポリコレ汚染で論文を書くのを止めることが、ポリコレ汚染を助長すると考えたようだ。
だが、この指導は適切だ。なぜならば、ポリコレ汚染で論文を書くのは技術的に難しい。ポリコレ汚染をこの言葉を使いたい人々の直観にあうように定義するのは困難だからだ。
2025年9月22日月曜日
質的研究は量的研究と狙いが違うので、サンプルサイズやサンプリングバイアスといった観点で批判しても仕方がないよ(注意:他に問題がないとは言っていない)
2025年9月19日金曜日
謎の用語「WEB系」の正体
「WEB系」企業がJavaを嫌うと言う話で、「WEB系」とは何か質問が飛んでいた。
ソフトウェアは動けば正義の世界なので、プログラマーの言葉の使い方は往々にして雑だ。考えなしにどんどん新しい言葉を生み出していき、気づくと忘れ去っている。「WEB系」もそういう言葉の一つだ。
さて、話の流れから察すると、「WEB系」はインターネットで提供されるソフトウェア(SaaS)を自社開発している企業のことを指している。システムインテグレーター(SIer)や技術者(のチーム)派遣(SES)ではないWEBの開発に従事している企業やプログラマを指しているので。ソフトウェア以外にもリソースを提供しているので、「WEB系」はクラウドサービス(SaaS)を自社開発する企業と整理できる。
自社開発をカタカナ語で言えば、インハウス開発(in-house development)。使うと言葉が難しくて話が分からない人になれる。
2025年9月16日火曜日
ソフトウェア開発の結合テストの自動化による開発効率向上が蔑ろにされている件
システムエンジニアがテスト項目に沿ってシステムの操作を行い、画面キャプチャーを取って表計算ソフトに張り付けて確認対象の部分を赤枠で囲い、適宜吹き出しなど追加すると言う非効率な結合テストの実施方法への愚痴ツイートがあった*1。
このテスト実施方法は、二つの点で非効率だ。一つは、再テスト実施の労働負荷が高い方法になっている。一つは、キャプチャー画像の管理に使うアプリケーションの選択を誤っている。せめてHTMLで書いたて、テスト項目ごとにページを変えた方がよい。キャプチャ画像に矩形や丸や文字を入れられるツールを探して来る必要はあるが。
2025年9月12日金曜日
チャーリー・カーク銃殺事件で露呈したリベラルの悪いところと「保守」の悪いところ
2025年9月11日木曜日
かなり昔のPCでも、Linux Mint 22.2を入れれば、まだまだ実用できるよ
先日、Linux Desktopの利用者シェアが5%を超えたと話題になっていた*1。Windows 10のサポート切れと、TPM 2.0必須のWindows 11のシステム要件から、Linuxを試している人が多いのか。来そうで来ないLinux Desktopの時代が来てしまうのか。
手元に古いPCがあったので、私も久しぶりにLinux Mint 2.2をインストールしてみた。ハードウェアの問題が生じづらいので、 Ubuntu Linux 11を最後にLinuxは仮想マシン(VMware/Hyper-V/WSL)で動かしていたのだが、危惧した問題は生じず快調に動く環境ができあ上がった。
2025年9月6日土曜日
2025年9月3日水曜日
Gitは使うのは簡単なバージョン管理システムだよ — 操作ミス後の復旧方法を何となく知っていれば
2025年8月31日日曜日
文系全員にデータサイエンスを学んで欲しい文科省だが
「文部科学省は大学の文系学部でデータサイエンスや人工知能(AI)の必修化を促進する」と言う話が報じられていた。今から5年以上前、2019年3月27日に、「文系や理系を問わず全大学生がAIの初級教育を受けるよう大学に要請」という報道があったが、今回はモデルケースとなるカリキュラムの開発が具体的な施策として入った。
2025年8月29日金曜日
ガバクラ利用に追加された非機能要件「媒体での外部保管及びネットワーク経由での遠隔バックアップ」
2025年8月25日月曜日
2025年8月24日日曜日
「ガラスの天井」の誤用 — 勝敗の基準が明らかなことには使えません
将棋の女流棋士がタイトル戦のひとつで順位戦と連動している白玲戦で5期タイトルをとったら棋士になれる制度に関して、「ガラスの天井」と言う言い回しの誤用が多く観察された。
ガラスの天井は役員への昇進など、その条件が不明瞭なときに使うもので、将棋のプロ棋士編入試験のように合格条件と、それを満たしているか否かの判定が明確な場合は、使えない。目に見える壁で、透明とは言えないからだ。
2025年8月19日火曜日
ベイズ統計学の「小さな世界」は、ベイズに限らずあらゆる計量分析に当てはまる特徴だよ
高名な情報量規準主義者の主観ベイズ統計学への誤解を受けてか、統計学を専門としない数学者が、ベイズ意思決定理論における小さな世界(small world)と言う特徴を3年間ぐらい繰り返し批判している*1。しかし、ベイズ以外のあらゆる数理的分析においても小さな世界を分析することになるので、殊更、ベイズ統計学の欠陥のように取り上げるのはミスリーディングだ。
2025年8月18日月曜日
日本人は一年に一度は、1928年6月の張作霖爆殺事件から1941年12月の真珠湾攻撃、あるいは1945年8月のポツダム宣言受諾までの歴史を振り返るべき
石破総理が戦没者追悼の式辞で反省という言葉を使ったことで「保守」界隈が怒っているのだが、どうも国語的に問題がある。反省は、罪を認めて償うというよりは、過去の過ちから学ぶという意味に近い。日本保守党の百田尚樹代表が「今を生きる日本人がその罪を背負う必要はありません」と非難していたのだが、過去に学ぶと言う事は、罪を背負うと言うことではない。
2025年8月17日日曜日
プログラミングで生成AIをうまく使う方法
熟練プログラマが生成AI(LLM)を使うと生産性が低下するという論文(Becker, Rush et al. (2025))が、やはりそうか感をもって受け止められていた。
生成AIは最強のコピペ厨なのだが、コピペ厨の域を未だに脱却できていないので、意外ではない。実際のところ推論などはしていない(Shojaee et al. (2025),Malek et al. (2025))。現状の生成AIはハルシネーションがあるデータの引き出し方が特殊な巨大データベースに過ぎない。
2025年8月9日土曜日
日本の地方や低所得家計の生徒は国公立に絞るので、貧困・地方・両親非大卒は“安全な”大学に出願する傾向があるというNENENENE@研究さんの指摘はおかしいよ
大学入試の女子枠批判者として知られるNENENENE@研究こと國武悠人氏が、「貧困・地方・両親非大卒は(実際には奨学金が充実していたとしても)同境遇者の少なさによって"安全な"大学に出願する傾向が数々の研究で指摘されています」と主張しているのだが、日本ではそんなことは無いので指摘したい。
2025年8月4日月曜日
NENENENE@研究さんの「女子枠」批判論文の統計解析は、参照している記事で論文が批判しているはずの女子枠推進者の主張の検証になっていないし、分析手法の選択が下手な上に、解釈におかしいところがある
NENENENE@研究こと國武悠人氏の女子枠批判論文Kunitake (2025)には、統計解析をかけている部分があるのだが、女子枠推進者の主張に対応していないので意味をなしておらず、手法の選択が下手な上に、解釈がおかしいところがあるので指摘したい。
これから研究を学ぶ大学院生が、半年前とは言え学部生のときに書いたペーパーを批評するのは心苦しいが、学術論文として公刊してしまったのだから仕方が無い。気づくと週刊誌に記事を書いているし、社会的影響も出始めている。
2025年8月3日日曜日
NENENENE@研究さんにも知って欲しい日本のDEI政策の原点 — 労働基準法(1947年–),障害者雇用促進法(1960年–),勤労婦人福祉法(1972年)
NENENENE@研究こと國武悠人氏の女子枠批判論文Kunitake (2025)が、日本の歴史に疎い外国の人々を日本のDEI政策についてミスリードする内容になっているので指摘したい。
"DEI initiatives in Japan are disproportionately focused on gender, primarily on supporting women(拙訳:日本のDEIイニシアティブは、主に女性を支援することで、過度にジェンダー格差を重視している)"と言うNENENENE@研究氏の主張はそうかも知れないが、他のDEI政策への言及が無い。"2.1. The origin and scope of "DEI" in Japan(日本の"DEI"の原点と範囲)"の節は、2006年の女性研究者支援や女性研究者増加策からはじまり、2015年の女性活躍推進法で終わる。
2025年8月1日金曜日
2025年7月30日水曜日
移民統合政策の欠落が招いたクルド人難民(申請者)一・五世、二世問題と、メディアがあまり報じない2023年6月の入管難民法改正
2025年7月28日月曜日
ドイツの大学には女子枠と言える女子コースがあるよ
ドイツでは大学入試の女子枠が基本法違反だという主張が急速に広まっている気がするのだが、ドイツの大学にも実質的に女子枠があるので記しておきたい。さきほど𝕏/Twitterで教えてもらったことを、ずっと前から知っていたかのように書いておく。
少数の大学の一部の学部学科ではあるが、学部学科と学位は同じだがカリキュラムが異なる女子コースがあり、このコースで修了した事は卒業証書に記載されない。具体的には、ベルリン技術経済大学の情報科学、コミュニケーションと経済学部(Informatik, Kommunikation und Wirtschaft)の情報科学と経済(Informatik und Wirtschaft)、ルール西専門大学ミュールハイム・アン・デア・ルール校の第3学部(Fachbereich 3)の機械工学(Maschinenbau)が該当する*1。
フランスで女子枠は違憲とは言えない(少なくとも現時点のある私立工科大学では合憲で、聴聞会では「クォータ制の実験」が違憲と言っている)
アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏が、フランスでは女子枠が違憲だと主張している。
フランスの平等条項は格差是正のためといって、職員の採用では適用されず、クォータ制がある。選挙の立候補者の男女枠に関しては、憲法自体が改正されている。そんなお国柄で大学入試だけクォータ制があるのが謎だ。
2025年7月26日土曜日
近年の計量分析を用いた実証研究によると、大学進学におけるアファーマティブアクションは、貧乏な非対象を金持ち対象者で置き換えているわけではなく、中等教育へのスピルオーバー効果もあるよ
「アファーマティブアクション(AA)は支援対象の中で最も恵まれた層(だけ)が得をする」*1「(この)主張はその後の定量的な研究でも裏付けられている」と言うような話を、アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏がしていた。しかし、近年の計量分析を用いた実証研究によると、そんなことは裏付けられていないと言うか、むしろ否定的な報告も多数あるので指摘したい。
2025年7月25日金曜日
2025年7月24日木曜日
NETFLIXで配信された映画CUTIESは、女の子がエロい格好で踊ることに対して批判的な映画だよ
どこからか拾ってきた絵を持ち出して、海外のフェミニストはマンガ『宇崎ちゃんは遊びたい!』を非難している一方で、映画CUTIESを賞賛しているが、これは女性の年齢や露出度を考慮しておらず、マンガやアニメだから非難している証拠だと言いたそうなツイートが流れていた。しかし、その絵は、海外の大手メディアにまで紹介された映画CUTIESへの非難を無視している。
2009年11月に「バッキンガム宮殿はモスクになる」と言っていたのは、2024年に有罪で終身刑になったイスラム過激派アンジェム・チャウダリー率いるデモ隊だよ
15年以上前のイスラム過激派のデモ*1を、現在のイギリスのムスリム一般の話のようにツイートしている人がそこそこいるのだが、これはイスラム過激派アンジェム・チャウダリー(Anjem Choudary)さん率いる一派で、ムスリムでもかなり特殊な人々なので指摘したい。
2025年7月21日月曜日
参院選前の石破自民党に欠落していたもの
2025年の参院選は、与党の惨敗とポピュリスト政党の躍進と言う結果に終わった。ここで言うポピュリズムとは、官僚や専門家の見解や、彼らが策定している方針に対する反発を指す。
様々なポピュリズムがあるわけだが、財政ポピュリズムと排外ポピュリズムが目立つことになった*1。官僚や財政学者は将来推計をもとに財政赤字の拡大を抑えるための施策を提案しているが、財政ポピュリストは消費税減税や社会保険料削減を謳っている。政府は経済や外交、国際的な非難(人道的な配慮)を考慮して外国人の受け入れ政策をとっているが、排外ポピュリストは、往々にして噂話だけをもとに、他のことは考慮せずに外国人の排斥を訴える。
2025年7月20日日曜日
ロシアのSNS工作がもたらすもの
ロシアのSNS工作がデマによる政府非難を呼び起こし、れいわ新選組、国民民主党、くにもり、日本保守党、参政党といった政治的に極端な位置の新参政党の躍進を招いていると、山本一郎氏が主張している*1。
欧米で確認されているのでロシアのSNS工作が日本で展開されていても不思議は無く、バズりそうなデマを好んで拡散するPV乞食も多くいるのでデマの拡散が成功している可能性は高いと思うが、それで与党の支持率が落ちて新参政党が伸びているかは分からない。
2025年7月18日金曜日
日本保守党の三名(もしくは四名)の議論の仕方は、民主主義にとって害悪
日本保守党事務総長の有本香氏の「橋下徹、上海電力コネクション」と言う記事が掲載された号などをめぐっての橋下徹×Hanada訴訟は、地裁と高裁で橋下氏の勝訴となった。
有本氏は同じテーマの他の記事が問題となったとしているが、橋下氏は二つまとめて名誉毀損があったかのように報告している。判決文が公開されていないの真偽不明だが、有本氏の記事も「橋下市政と上海電力脱法的スキーム」と書いたものがあり、穏やかではない。
2025年7月16日水曜日
参政党とは何なのか? — 政府や規範への反発を羅列することで集票を狙う集団
2025年7月12日土曜日
デジタル庁の日本語能力 — その文章はモダン化の定義をしているのではなく、推奨技術とその利点の説明をしているよね?
2025年6月27日にデジタル庁の「ガバメントクラウドにおけるモダン化の定義」が修正され、自治体システムのガバクラ移行の必須要件ではないと明記された。この文書、技術的に頓珍漢に思える部分が多数あるので何度か検証してきたが*1、国語的にも奇妙だ。
2025年7月11日金曜日
デジタル庁の日本語能力 — 使いまわすスローガンは慎重につくろう
「デジタル庁では、デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を目指します。」と言うスローガンが理解できない。サービスを選ぶのは誰であろうか。ここで言うサービスは、公共サービスのことで、情報サービスのことではないと理解してよいのであろうか。
2025年7月3日木曜日
ジェンダー法学者の島岡まな氏の話を聞く前に知っておくべきこと
ジェンダー法学者の島岡まな氏へのインタビュー*1が公開され、そのはちゃめちゃな主張が多くの人の困惑を招いている。今回は具体的な論評を置いておいて、インタビューを読む前に知っておくべきことを列挙しておきたい。
「疑わしきは罰せず(in dubio pro reo)」は元がラテン語だけに日本だけの話ではなく、フランスでも同様。また、それは被害者に厳しくあたるためではなく、検察官の横暴を抑制するための原則。性犯罪は密室での行為になるため、現実としては推測に頼る部分もあり、有罪判決後に冤罪や狂言が発覚した場合もある*2。
2025年6月30日月曜日
統計学教育の苦しいところ — 統計学ユーザーの皆さん、クロス表の独立性検定の統計量がなぜχ二乗分布に従うと看做せるか説明できますか?
「クロス集計表を作るのは簡単だけれど、カイ二乗検定の説明になると難易度が数段上がってしまう」と言うツイートを見かけた。まさにその通りで、クロス表の独立性検定はよく見かける一方で、その説明は難しい。
クロス表は二種類の因子の組み合わせごとの度数をまとめた表のことで、独立性検定とは二種類の因子に相関が無いと言えるかを調べる方法だ。共変量を統制できないので効果的に利用できる場面は限られるが、入門レベルの教科書や学部の講義ではよく紹介されている。
2025年6月26日木曜日
NENENENE@研究さんのSowell (2004)の紹介がハルシネーションになってしまっている件
アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏が、「欧米先進国で「女子枠」「黒人枠」「地方出身者枠」のような選抜方式になっていないのはアファーマティブアクション(AA)は支援対象の中で最も恵まれた層が得をするという事実があるからです(Sowell,2004)」とツイートし、統計学と経済学の博士号を持つ大学教員のマクリン氏に、Sowell (2004)は事実を示したと言える論証を行っていないと批判されている(togetter)。
2025年6月25日水曜日
2025年6月22日日曜日
2025年6月21日土曜日
2025年6月19日木曜日
デジタル庁クラウドチームが説明しようとしないIaCを導入する本当の意義
デジタル庁クラウドチームはモダンなシステム構築の手法としてIaCの利用を勧めている。しかし、これまた説明に具体性がなくよくないので役に立つのか疑問に思われている。
IaCは宣言型プログラミング言語でインフラストラクチャーのリソース配置を記す技術(e.g. terraform)の総称で、クラウド事業者のサービスやコンテナオーケストレーションツール(i.e. Kubernetes)にそのコードを書いたテキストファイルを読み込ませることで、クラウドの設定を行うことができる。
デジタル庁クラウドチームの推すメッセージキュー(バッチ処理のイベントドリブン化)が有用になる場面
デジタル庁テックブログの「ガバメントクラウドにおけるモダン化の意味と定義」の説明がよろしくないので「それ何の役に立つの?」と言う反応が出てしまっているメッセージキュー(バッチ処理のイベントドリブン化)なのだが、困ったときに上手く使うと便利なので紹介しておきたい。
業務システムは、ウェブアプリなどのオンライントランザクション処理(OLTP)と、バッチ処理に大きく分かれる。OLTPでは入力してから3秒反応ないと利用者が困惑すると言われ、30秒から60秒以内で処理を完了しないと、だいたいのミドルウェアの標準設定でリクエスト・タイム・アウトになってしまう。一方、バッチ処理は原則として時間制限がない。