統計学を専門としない数学者が、尤度原理はトンデモで、それを教えるのもトンデモと言い出している。すっかり頑固な頻度主義者といった趣きで、勢いあまって尤度原理に従っている統計手法はトンデモとまで言っている気がするのはさておき、「主義にこだわるより、適切な数学的法則を…」と言っていた人が、統計的推測が持つべき性質を考える統計哲学、主義の論争にに踏み込んで来たのは興味深い。しかし、無理に尤度原理を否定しようという試みに、実益はない。
2020年12月28日月曜日
2020年12月19日土曜日
2020年12月15日火曜日
支持層に気兼ねして忘年会などの自粛を訴えられない菅内閣の支持率は…
まだまだ高い水準にあるし、平均回帰的な傾向もあるので、来月以降持ち直す可能性もあるが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策への不満から、菅内閣の支持率が急落している*1。歴史上、もっとも迅速にワクチンが開発された感染症のわけだが、希望の光を支持率に転換できていない。
自民党の支持層に飲食や宿泊に関連した中小零細の経営者が多いのは想像ができ、それら企業が1930年代の大恐慌に匹敵するかそれ以上の需要減で打撃を受けているのは確かで、菅内閣が何らかの経済振興を取りたくなるのは自然だ*2。飲食や宿泊の需要を減らすような要請も行いたくない。しかし、この新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)対策と整合性を取るのは難しい。
2020年12月9日水曜日
2020年11月29日日曜日
ネット界隈の表現規制論争に認識的不正義と言う概念を持ち込むのは不毛
2020年11月26日木曜日
儲け方をレクチャーできるほど、メディア事業の経営についての知見がジェンダー社会学者に無いことぐらいは自覚して欲しい
何かを有害だから規制しろと主張すれば、どういう観点からそれが有害だと言えるのか質問されるのは異常ではないし、規制の主張者は有害性を示すことができるはずなのだが、表現規制派フェミニストの皆様は質問に直接答えず、国際的に認められないという議論を展開する事がある。ジェンダー社会学者の高橋幸氏も同様の議論を展開しだした*1。
ジェンダー社会学者の皆さん、倫理や道徳を考えないと人権が定まらないので、人権保障のために制度の調整が必要かも分からなくなりますよ
2020年11月23日月曜日
法規制ではなく自主規制で女性表現を制限すべき理由を捻り出すのは難しい
2020年11月16日月曜日
2020年11月8日日曜日
2020年11月7日土曜日
評論家・ジャーナリストの皆様、2020年アメリカ大統領選挙の結果はだいたい直前の世論調査の通りですよ
2020年のアメリカ大統領選挙の投票結果がほぼ見えたところだが、前回2016年にヒラリーと言う予想が外れたためか、世論調査に基づく選挙予想を無視した現職トランプ氏の当選予想が横行していただけではなく、今回2020年の結果も世論調査と大きく異なるような話がされているのを見るのだが、今回はだいたい直前の世論調査の通りになっている。接戦州の予想がどうなったか見てみよう。
2020年11月2日月曜日
2020年10月25日日曜日
2020年10月24日土曜日
ツイフェミが問題にしているのは、性的モノ化ではなくて、ポルノ化もしくは性化の弊害
・・・と考えたら、話がすっきりする話が流れていた。
巨乳女性の料理系YouTuberくまクッキング氏のTシャツ胸部の広告と、ノーブラで乳首が浮いて見えるTシャツで「勝手にエロいもの扱いするな」と言うメッセージが書かれたInstagramの投稿に差異があるのか、ネット論客の青識亜論氏とじょいたま氏が言い争っていた。性的モノ化(sexual objectification)になるのか否かが論点になっていたが、筋が悪い。
2020年10月17日土曜日
2020年10月9日金曜日
プログラミング言語Juliaの現在位置
開発者の説明やその構造からすると数値解析に特化している気がするプログラミング言語のJuliaだが、Twitter界のJulia伝道師の話だと万能な高速汎用プログラミング言語と言うことになっている。全てのアプリケーションがJuliaで書き直される未来が来るような勢いで語っているのだが、現時点でどれぐらい普及しているのか確認してみると、Julia伝道師の希望にはまだまだ遠い。
2020年10月4日日曜日
2020年9月27日日曜日
2020年9月21日月曜日
2020年9月7日月曜日
ツイフェミにとっても、表現の自由戦士にとっても、不正義の説明は骨が折れる
ネット論客の青識亜論氏が「「萌え絵批判」はなぜ燃えるのか――私たちが怒る本当の理由」と言うエントリーを書いているのだが、議論の核心部分に混乱が見られるので指摘したい。ツイフェミの議論の多くが本音を隠して話がおかしくなっている気がするが、表現の自由戦士も主張の正当化には苦労している。
2020年9月6日日曜日
2020年9月4日金曜日
安倍政権8年間の政治的遺産を振り返ると・・・
持病の潰瘍性大腸炎の悪化を理由に安倍総理が辞任の意向を表明した。憲政史上最長の政権だけに、その政治的遺産について言及がされている。真似して総括してみると、内閣支持率を下げないように立ち振る舞う狡猾さと同時に、リーマンショックからの回復期に政権を担当できた運の良さに支えられた長期政権であったが、後世、政治的遺産とされそうな実績は乏しく、軽減税率ぐらいになりそうだ。
2020年8月22日土曜日
経済セミナー連載「定量的マクロ経済学と数値計算」の公開ソースコードに関して
経済学者が経済学の学部生から院生向けの記事を書いている雑誌「経済セミナー」に2020年2・3月号まで連載していた「定量的マクロ経済学と数値計算」を拝読して、公開されているソースコードにRのものが部分的にしか用意されていなかったので、第7回まで移植作業を進めてみたのだが、色々と気になったことがあるので記しておきたい。
2020年8月19日水曜日
2020年8月1日土曜日
2020年7月21日火曜日
ジェンダー社会学者が体現する、社会圧が無くなったら女性は化粧をしなくなるのか、それともやはりするのか問題
カネボウ化粧品の新しいCMが、ネット界隈の一部のフェミニストに非難されている。一部と言うか、社会学者の千田有紀氏*1。曰く、「生きるために、化粧をする。」と言うキャッチコピーが気に入らないそうだ。社会が女性に化粧を強いていると言う発想があるようだが、話はそう簡単でもない。
2020年7月20日月曜日
歌舞伎町の2ホップ先にすぐ死んでしまう高リスク群はいる
「夜の街」のPCR検査をクローラー的に実施しているせいか、毎日の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)新規陽性者数が飛躍的に増加し、そのほとんどが無症者や軽症者という事態が一月半ほど続いている。検査方針の変更で大きく陽性者数が4月よりもかさ上げされているのは間違いなく、統計の見た目ほどは感染は広まっていない。しかし、1ヶ月も経てばPCR検査で陰性になる事を考えると、感染者のほとんどはゴールデンウィーク後に感染しており、感染が拡大しているのは事実だ。
2020年7月19日日曜日
青識亜論さんの『正しい「シーライオニング」のススメ』は発生論の誤謬だから
その論法が、論点から遠い初歩的な質問を繰り返すことで議論を脱線させたり、相手を疲弊させることで議論を中断に追い込む詭弁であるシーライオニングではないかと指摘されたネット論客の青識亜論氏が、「正しい「シーライオニング」のススメ」と言う反論を書いているのだが、誤謬推理になっている。青識亜論氏にはツイートで示唆したつもりだが、批判者も気づいていないと言うか騙されてしまっているので、改めて指摘したい。
2020年7月15日水曜日
2020年7月10日金曜日
ポリコレ棒で叩かれているピンカーさんの議論について
2020年7月2日木曜日
2020年7月1日水曜日
社会学者の卵の中村香住さんのエッセイに対する青識亜論さんのツッコミに関して
社会学者の卵の中村香住氏の「「オタク」であり「フェミニスト」でもある私が、日々感じている葛藤」と言うエッセイに対して、ネット論客の青識亜論氏が「オタクコンテンツにエシカル消費はいらない」と言う批判を加えているのだが、青識亜論氏の議論に今後を考えると小さくない問題があるので指摘しておきたい。(1)性的モノ化(sexual objectification)の議論、フェミニスト倫理学者ヌスバウムのものと乖離している。また、(2)メディアが自分や他者の行動変容をもたらしうると危惧されていることや、他者の内面のあり方も道徳的に問題になりうることを忘れている。
2020年6月30日火曜日
創作物の表現の是非を問うオタク vs ツイフェミの論争に関する社会学者の卵の中村香住氏のエッセイについて
社会学者の卵の中村香住氏の「「オタク」であり「フェミニスト」でもある私が、日々感じている葛藤」と言うエッセイを拝読したのだが、細部が色々と気になったので記しておきたい。主旨については把握でき無かったと言うか、特に無さそうであったので言及しないと言うか、できない。
2020年6月27日土曜日
StataとRの比較ツイートから見える社会科学研究者の統計解析ソフトウェア選択事情
StataとRは、医療統計や社会科学でよく使われている統計解析ソフトウェアだ。ユーザー層が被った代替的な選択肢である。Rの方が歴史は数年古いが、Stataの方が研究や教育での普及が早かった。これらの分野のユーザー数は、今でもStataの方が多いであろう。しかし、近年、ライセンス料の問題なのかStataをRで代替するようになってきており、両者を比較した言及を時折見かける。
皆さん、新型コロナウイルス感染症対策で、中小企業や自営業者がどれだけ死にかけているか知りたくはありませんか?
香港科技大学の川口康平氏、日本大学の児玉直美氏、一橋大学の田中万理氏が「日本の新型コロナ対策は経済状況にどう影響を及ぼしているか?」と言うオンライン調査を元にした研究の継続のためのクラウド・ファンディングを募っている。はじまった直後で現時点ではまだまだ目標額に遠いので、旅行や外食や行く小遣いが余っている人は寄付をしてあげてよう。
2020年6月22日月曜日
暴徒による銅像引き倒しの倫理
ネット論客の青識亜論氏とマヤ考古学者のローヘッド氏が、アメリカの暴徒による銅像引き倒しの是非を巡ってやり取りをしているのを見かけたのだが、捻りを入れて主張が展開されているためか、話が捻れていて相互理解から遠いことになっている。
2020年6月17日水曜日
2020年6月16日火曜日
ある統計学者のマクロ経済学のカリブレーション非難について
なぜか一年前の「いかにしてマクロ経済学はオワコンになったか」と言うエントリーが話題になっていて、「カリブレーションという不思議な加持祈祷でパラメータの値を定める習性がある」と非難されている。ミクロ計量分析の結果からパラメータを外挿したり、マクロ経済データからパラメータを推定するのは、不思議な加持祈祷になるのであろうか。
2020年6月11日木曜日
2019年の消費税率引き上げは・・・
消費税害悪論を久々に見かけたので、消費税率引き上げ前後の(景気一致指数)有効求人倍率の推移をチェックしてみたのだが、新型コロナウイルス禍が凄いという結論に・・・ええっと、今回も数%ポイント程度の消費税率引き上げは、景気中立的であることを示しているように見える。
女児型ラブドールの利用や販売に道徳的問題がないとは言えないが
神社の樹木が傷つくこと以外に、丑の刻参りに道徳的に問題があるかを考えよう。他人に見られないように強い怨恨を発露する行為だが、呪われている相手はそれを知ることも無く平穏である。しかし、道徳的に問題があるかと考えた場合、あると考える人は少なく無いはずだ。他人に恨みを抱いた善人は考えづらい。
2020年6月5日金曜日
「コロナ自警団」はファシズムか? — 他人にうるさいノイジー・マイノリティでしかないから
2020年5月29日金曜日
専門家会議が4月15日に示した基本再生産数R₀=2.5で死者42万人と言う予測はほどほどのざっくり感
4月15日に、このまま人々の行動変容が無ければ、SARS-CoV-2感染者数が指数関数的に増加して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死亡者数が42万人に達するという予測が、専門家会議から示されていた*1事に関して、(1)現実化しなかった、もしくは、(2)過大な予測であったとと言う批判を見かけるのだが、(1)は頓珍漢だし、(2)は厳しすぎる要求に思える。
2020年5月26日火曜日
数学の漸次的な発展過程が分かる『数の大航海―対数の誕生と広がり』
科学・技術史の文脈で言及されていて、内容を確認しようと思っていた『数の大航海―対数の誕生と広がり』を読了した。著者は、数学30講シリーズで数学徒以外にも馴染みが深い(かも知れない)志賀浩二氏。古代から近世ぐらいまでの数学史を、対数と言う切り口で数学者がまとめたもので、表面的な話に留まらず、数学的な意義に考察が及んでいる。
2020年5月23日土曜日
2020年5月16日土曜日
抗体検査キットの性能評価試験から推定される無症者を含む東京都内の感染者数は想定内
厚生労働省が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)に委託した抗体検査キットの性能評価の結果が出てきた。メディアの報道の仕方が悪いせいで、東京の本当の感染者数は人口比0.4%の5万人もいると思い始めた人がそこそこいるようだ。しかし、そもそもランダムサンプリングではない事を無視しても、調査結果を注意深く計算すると0.2%(95%信頼区間0.02%~1.20%)と幅が広い結果になるので、1万人規模の本調査の結果を待たないと何とも言い難い。
2020年5月9日土曜日
出勤を減らしたことによって、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染リスクはさほど減っていない
厚生労働省クラスター対策班の西浦博教授ら専門家会議は、都市中心部の昼間人口を減らすことにより「接触機会の8割削減」を実現し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染者1名あたりの2次感染者数である実効再生産数Rₜを0.5にまで引き下げることを目標に掲げている。そのために通勤を抑制してリモートワークを訴え、携帯電話端末の位置情報の集計などから中間目標が実現されていないと主張しているのだが、中間目標と最終目標にどうも乖離が大きい。少なくとも、2月から4月までのデータではそうだ。
2020年5月6日水曜日
新型コロナウイルス感染PCR検査の感度70%(偽陰性30%)は厳密ではないが、デマとは言えない
「PCR検査については感度が70パーセント程度と低く、偽陰性が30パーセント程度出てくるリスクがあり、精度を高めるためには複数回の検査が必要とされている」と書いてある記事に、「デマだから、それ。いい加減にしろよ。」と文句をつけている人がいたのだが、症状が出てからの日数に依存するとは言え、ここまで知られているデータからすると感度70%はそう悪い相場感ではない。